先日の塾の勉強会にて。見慣れない字を見つけた。
「癲」というがこれは何なのだろう?「てん」と読むらしく。
「癲病(てんびょう)」・「癲癇(てんかん)」・「癲狂(てんきょう)」という記載がみられる。
上述の疾患は、精神的な疾患を指す。
その中でも「癲(てん)」は、精神抑鬱・無表情・独り言を言うなどが具体的な症状として見られる。では、どうして上記症状が出現するのか?その前に、東洋医学的な精神活動について解説をしていきたい。
●精神活動について
人の意識活動・精神活動のコントロールは五臓の「心」が主り、「神」・「神志」・「神明」などという。
神は先天的な物質により化成したものであるが、飲食物などにより得た物質が充足していることにより機能が維持されている。
つまり、何かしらが原因で五臓の「心」が養われないことが精神活動の異常を招くのである。
以下、主な原因2つについて解説をしていきたい。
①心脾虚癲(しんぴりょうきょてん)
消化器の機能低下が主な原因となる。飲食物から栄養素を吸収する能力が低下して結果、五臓の「心」も栄養不足の状態となるため「神」をコントロールすることができなくなる。その結果、癲が出現する。過度の思慮・癲状態が長期間続くことなどが心や脾を損傷する原因となる。
見られる身体症状は、悲観にくれる・動悸・恐怖感を訴える・食事の量が減少する・心身疲労・倦怠し力が入らない・など。
②痰気鬱癲(たんきうつてんかん)
停滞が生じて心神に十分な栄養がいきわたらないことが主な原因となる。
停滞する原因は体内の物質を推し進める力が滞ること・余剰な水分が体内に生まれることなどが挙げれる。これらが互いに結びつき更なる停滞が生じた結果、「心」に十分な栄養がいきわたらくなり、コントロールの権限もなくしてしまう。
推し進める力の滞りは「精神抑鬱(欲求不満なども)」、体内に余剰水分を生み出すのは「消化器の損傷(過度な思慮が消化器を損傷するとされる)」とされている。
症状としては、無表情・幻想幻覚・言語錯乱・沈黙痴呆・ぶつぶつと独り言を言う・食欲不振などが見られる。
スタッフ 杉本
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