前回の「食欲不振」のお話の続き。
六腑の「胃」のはたらきの低下によるものがメインであり、前回は3パターン解説を行いました。
残りの4パターンの解説に早速に移りたいと思います。
④脾胃気虚による食欲不振胃のエネルギー不足によるもの。飲食の不摂生や過労によりエネルギー(気)が消耗・生成されないことため胃のはたらきが低下し食欲不振が生じる。疲れ果てて口にものが入らないイメージか。
(特徴)
食欲はだんだんと低下する(疲労度合いに連動する)
(身体症状)
食後にお腹が脹る・多くを食べることが出来ない・力ない声で話す・疲労感や倦怠感を伴うなど。
⑤脾胃虚寒による食欲不振
「冷え」による胃のはたらきの低下が原因。もともとの冷え体質であること・身体を冷やす飲食物を口にすることなどによって、体内に冷えが生じる。冷えは胃に機能低下を生じさせるため、食欲不振が生じてしまう。
(特徴)
食欲不振は冷えることで悪化し、暖めたり擦ることで軽減する。(身体症状)
食事の味はしない・空腹感は感じない。多くを食べるとお腹が張り嘔吐したくなる・四肢の冷え・下痢など。
⑥脾腎陽虚による食欲不振
こちらも「冷え」が原因となり、冷たい飲食物や体を冷やす食事を過度に摂取することで「脾胃(消化器)」の冷えが生じるところまでは同じである。脾のはたらきは五臓の「腎」のバックアップを受けており、過度の脾胃の冷えはバックアップ器官である腎にも影響を及ぼす。その結果双方に冷えが生じて食欲不振が生じる。若いころに比べて、歳を重ねると食欲が減るイメージか。
(特徴)
空腹感を感じない。食物の味がない。食欲不振は、冷えると悪化し、暖めると軽減する。
(身体症状)
顔色は青白い・力なくボソボソと話す・全身倦怠感・寒がり・四肢の冷え・お腹が脹るあるいは痛む・四肢のむくみ・未消化便を排泄するなど。
⑦胃カン食滞による食欲不振消化不良によるもの。暴飲暴食によって飲食物が胃に停滞していることが主な原因となる。
食べ過ぎてしまってもう食べたくないイメージか。
(特徴)
食欲不振
(身体症状)
食物を欲さない・腐酸臭の伴うゲップが出る・お腹の張り・便秘あるいは臭いが強い便が出るなど。
スタッフ 杉本
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