口淡無味とは、味覚の減退で口の中が淡く飲食物の味のないことを言う。
一般には食べ物の香りがなく、食欲不振をともなうものを指す。「口淡」「口不知味」という表記も見られる。
古典において、「味覚は脾胃と関連がある」とされている。脾の機能は口に通じ、脾が健やかであればよく食物の味を近くすることができる。
つまり、味覚障害は脾胃の運化失調と関係があり、原因は脾の機能失調による消化吸収能力の低下(①)と余剰水分による脾胃の消化・吸収能力への阻害(②)にあるとされている。
①脾胃気虚(ひいききょ)
消化器の虚損が原因となる。飲食の不摂生・激しい嘔吐や下痢・長い病気を患うことによって、胃腸が弱ってしまう。これにより食物の消化吸収や運搬能力が低下した結果、運化転輸の機能が低下したことで食欲不振や口淡が生じる。
飲食に味も臭いもしない・飲食物を欲さない・心身の倦怠感・腹部の張り感・大便がやわらかいなどの身体症状がみられる。
②湿困脾胃(しっこんひい)
体内に生じた余剰水分が原因となる。湿気の強い環境に身を置く・飲食の不摂生により消化吸収機能の低下が生じるなどによって余剰水分が体内に生じる。この余剰水分が消化機能の低下を招いた結果、口の中のネバネバ感や口淡が生じる。
口の中がネバネバする・飲食物が味がしない・消化不良・食欲不振・胃のもたれ感・吐きたいけど吐けない・大便がやわらかいなど身体症状がみられる。 スタッフ 杉本
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