「排便困難」は排便に要する期間が通常よりも延長し、排便がスムーズに行えない状態を指す。似たような症状で「大便秘結(便秘)」がある。(排便困難では隔日、大便秘結では排便間隔は4〜7日/回といった違いが見られる。)
①大腸熱結による排便困難大腸に存在する熱が原因となる。もともと熱が盛んな体質であること・または辛いものの食べすぎることで体内に熱が生じる。胃腸に生じた熱が大腸に下降し、水分を飛ばすことで排便困難を招く。(特徴)便は乾燥している・兎糞便・腹部の張感を伴うなど
(身体症状)顔、耳が赤い・口の渇き・尿の色は黄色い・脈が強いなど
②湿熱による排便困難
湿気と熱が原因。高温多湿な環境や甘いもの・油濃いもの・味の濃いものなど飲食の不摂生により体内に「余剰水分」と「熱」が生じる。体内の余剰水分は胃の消化・吸収能力や大腸の糞塊を運搬する能力の低下を招く。
(特徴)ネバネバとした便・先に硬いものが出た後水様便が出る
(身体症状)体の重だるさ・口が苦い・小便の量が少ない・小便の色は濃いなど
③脾肺気虚による便秘
消化器の糞便を運搬する力の不足が原因。飲食不節、思慮過度、疲労や過労などによって消化器自体の活動力が低下し、排便困難を招く。
(特徴)すっきりと排便できない・力んでも出すことが難しい
(身体症状)精神疲労・全身倦怠感・ボソボソと話す・脱肛など。
④肝脾気滞による排便困難長期にわたるストレスや強い精神的な刺激を受けることがきっかけになり大腸の動きが悪くなることが原因となる。大腸の動きが悪くなった結果、糞便の運搬する力が低下し排便困難を招く。
(特徴)便意が急に迫ってくるも排便できない
(身体症状)おならが比較的多い・お腹の張り・精神抑鬱・ゲップが多い・生理前の胸の張りなど。
(特徴)乾燥した便が出る
(身体症状)四肢の冷え・寒がる・腰膝の重だるさ・小便の量は多く色は薄い・夜間頻尿など。
⑥血虚(陰虚)による排便困難胃腸の潤い物質の不足により腸道が狭くなることが排便困難の原因となる。長い期間病気を患うこと・産後の出血・加齢によるものが多い。
(特徴)硬い兎糞便
(身体症状)頭部の揺れ感・不眠・顔色は青白い・両ほほが赤らむ・口やのどの渇きなど
スタッフ 杉本
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