便失禁は、排便のコントロールができず、自分の意思に反して便が漏れてしまう状態を指す。
原因は肛門部の筋肉(肛門括約筋)の衰えや損傷が挙げられる。
衰える原因の一つは加齢であり、肛門を占める力が弱くなることで失禁が生じる。
また損傷の原因は分娩、痔、大腸がんなどの病気が挙げられる。
以下、東洋医学的な解説を行いたいと思います。
●「大便失禁」についての東洋医学的解説
便失禁は、自分の意思に反して便が漏れてしまう状態を指す。ひどい場合には排便したことを自覚していない状態となる。
ただ排便回数が多くとも自身でコントロールできる状態・肛門部の外傷・手術の後遺症によるものは
含まれない。
①脾腎陽虚による大便失禁長期間の下痢症状などにより五臓六腑「脾」「腎」が虚損したことが原因となる。「脾」「腎」の虚損は消化器の冷えを生じさせ飲食物の消化・吸収能力の低下を招く。双方の虚損は、しばらく下痢が止まらない・飲食物は未消化のまま排せつされるといった状態が生じる。
(特徴)慢性的な下痢症状・排便回数は頻回・時折粘液便を排泄
(身体症状)寒がり・四肢の冷え・小食でお腹が張る・腰の重だるさ・耳鳴り・尿量多く色は薄いなど
②気虚による大便失禁加齢による体力低下・長期間病気に患うことなどでエネルギー(固摂機能)が虚損することが原因となる。固摂機能には①内臓位置を一定に保つこと・②物質が漏れ出ないようにすることがある。
つまり固摂機能の低下により、内臓の下垂・肛門部おいて便が漏れ出る、という症状が出現し、大便失禁となる。
(特徴)大便は時々漏れ出るが、便が出ている自覚はない・ひどい場合には脱肛が生じる
(身体症状)痩せ・精神疲労・食欲不振・息切れ・ボソボソと話すなど
③疫毒による大便失禁伝染性のウイルスや細菌などが原因となる。これらは腸道のうっ滞やエネルギーの虚損を生じさせる。エネルギーの虚損はこれらの邪から体を守ることが出来ず、一過性の意識障害が生じた結果便失禁を招く。
(特徴)急激に発症し、鮮やかな紫色の膿血便あるいは水様便となる
(身体症状)高熱・口の渇き・ひどい場合は意識がはっきりとしない状態となる
※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。