前回、出産後の身体の痛みについて解説しました。
今回では出産後の「腰」の痛み。中医書には「身痛」、そして今回の「産後腰痛」は分類して記載されております。
産後の痛み症状の中で、よく見られる症状の一つである「腰痛」。
これは、各種内科由来の腰痛とは別の原因・治療法があると考えられ、後世の医師は伝記で論述しております。
基本的な「産後腰痛」の原因として挙げられているのは「血不足型」・「気候由来型」・「オ血型」 。
・「腎虚血虚型(エネルギー・栄養不足型)」…生殖機能に大きく関与する五臓六腑「腎」。出産時活発に活動を行うことで産後「腎」は疲れている(エネルギー不足)状態となります。加えて出産は多くの出血を伴うことから、血の不足も伴います。「腎」は伝統医学上、「腰」に関与していること、加えて血(栄養)不足ゆえ筋肉を滋養されないことから腰の痛みが生じる。
・よくみられる症状…めまい・耳鳴り・顔色が彩りがない・手足の知覚障害etc.
・「気候由来型(冷・湿気型)」…産後エネルギー不足である身体は外的環境から身体を守る力が減弱しているために気候の影響を受けやすい(特に寒さ、湿気)。冷えや湿気はエネルギー・栄養物質の運行障害を生じやすく、血(栄養物質)の滞らせ、腰の痛みが生じる。
・よくみられる症状…冷えにより悪化、動かしづらい、お腹とともに冷えるetc.
・「オ血型」…エネルギー不足(運動量低下や物理的圧迫も加わるか)ゆえ全身の供給エネルギーの低下が生じてしまう。滞りが生じた結果、血オが発生。刺すような腰の痛みが生じる。
・よくみられる症状…活動後に少し柔らかくなる、下腹部の痛みetc.
上記基本的な産後腰痛の代表的な3例を述べさせていただきました。
共通することとして、出産を通じて女性は伝統医学上の物質(エネルギー・栄養)の損傷がが生じていること。それが各種症状として出現(今回は腰痛)していること感じていただけたかと思います。
実際には主にお話を通じて、産後の腰の痛みを特定し治療を行っております。
お悩みの方、該当される方は当院へぜひ一度ご相談下さい。
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎても《妊娠中/産後の諸症状》に収められています。