ありがたいことに最近は婦人科系疾患の患者さんの治療に携わらせていただく機会が多いように感じます。
勉強不足なこともありますが私は性別が異なる故、分からないことが多い領域です。
そして男性は経験することがないこともあり、女性特有の身体の辛さや心理的状況は完全に理解することは難しいのではないかとも思います。
ただ、分からないゆえ少しでも寄り添えるように力を入れて学ぶべき分野であるとも感じています。
同性だからこそ話しづらい・異性だからこそ話しやすいこともある。
そんな時にそっと寄り添えることが出来るような治療ができればと感じております。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は「出産後の体の痛み」。
具体的な症状としては、「腱鞘炎」、「腰痛」、「肩甲骨周囲の痛み」、「恥骨痛」を述べられる方が見受けられました。
中医書には「産後身痛」という表記があり解説したいと思います。
(「産後腰痛」は別の単元が見られたため、また別の機会に解説します。)
原因としては大きく3つ。「血虚」・「血オ」・「風寒」。
①「産後血虚身痛」…栄養不足のために筋肉を養うことが出来ない。ゆえに筋肉が硬くなってしまい身体の痛みとして出現する。動きがスムーズでない・顔色が青白い・動悸・体がだるくて力が入らない等のその他身体症状が見られることが多い。
②「産後血オ身痛」…運行ルートに滞り(詰り)が生じることで筋(腱)と脈が通じなくなる。張り・引きつり・はりで刺したような痛みが出現する。顔色や唇は血色悪い・下腹部は痛む・患部を押されると嫌な感じがする等のその他身体症状が見られることが多い。
③「産後風寒身痛」…産後は諸エネルギー物質の消耗が激しいゆえに、気候からの影響も受けやすい。気圧や寒さがエネルギー・栄養物質の運行ルートにおよぶことで身体の痛みをして出現する。首の後ろや背部は硬い・寒さを嫌がる・食事量の減少等のその他身体症状が見られることが多い。
上記三例はあくまでも中医書における代表的な体の痛みの原因となります。
概要把握のための参考になれば嬉しく思っております。
「産後の身痛」は実際に身体に置き換えて考えてみるとその他にも様々な原因が考えられます。
お悩みの方は、痛みを生じる原因の解説を含め治療をさせていただきたいと思っておりますので是非一度当院へご相談下さい。
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎても《妊娠中/産後の諸症状》に収められています。