鍼灸治療にかかる上での主訴で「夜間尿」は意外と多い。
中医書では「夜間多尿」と表記されており、似た症状である「頻尿」とは異なるカテゴリーで説明されている。
あくまで夜間帯のお小水の回数と量の増加を指している。
一般に夜間の排尿回数が2〜3回以上、一日の総量の1/4を超えるものをいい、症状が甚だしいければ量・回数ともに日中を上回るものとされる。
■夜間の尿量・回数が増える原因
尿は膀胱内に存在するが、気の固摂作用(体液が漏れ出ないように引き閉めるエネルギー)によって膀胱内にとどめられている。この膀胱内に尿をとどめておくエネルギーの低下により尿量・回数が生じる。また、夜間は陰盛陽衰(身体の水液物質が増え、エネルギーが減少する)という特性から夜間多尿が生じる。以下、2タイプついて解説をする。
①腎陽虚タイプ
尿を膀胱内に留めておく作用は五臓六腑の「腎」と密接な関わりがある。
加齢や慢性疾患などにより固摂エネルギーが低下することで、夜間排尿回数・量の増加が生じる。
・その他みられる症状・・・寒がり・四肢の冷え・残尿感・眩暈・耳鳴等
②脾腎両虚タイプ
「腎」と「脾」は相互に関与しており、いずれかのエネルギーが不足することで、双方ともにエネルギー不足となる。働き過ぎ、心身の疲労などが原因で固摂エネルギーが低下することで夜間排尿回数・量の増加が生じる。
・その他みられる症状・・・むくみ・食欲不振・倦怠感・寒がり・四肢の冷え・心身の疲労・めまい耳鳴り・下痢等
夜間頻尿に関しても鍼灸の適応症となります。
お悩みの方は一度当院までご相談下さいませ。
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎても左サイドバー《頻尿、膀胱炎》に収められています。