2018/1
婦人科の鍼灸治療では肝気の疏泄が順調か否かを注意深く見ていきます。 これは肝が受け持つ気を流す力が適正を保っているかどうか、ということであり、これが保てない状態を疏泄失調といい、様々な障害の起点となって行くわけです。
D1〜D7まで肝の疏泄の子宮への影響が強まり、これにより経血か排出します。 D13まで一旦は疏泄の影響が弱まり、D14くらいから再び影響力を行使します。そこで排卵と頸管粘液の排出というプロセスが始まるわけです。
D21前後までは引き続き影響力を行使して行きます。この作用で子宮の中の気が十分に活動して、受精卵の形成、分裂、着床というプロセスを行うわけです。
とても大事な働きであることがお分かり頂けましたでしょうか?
この肝の疏泄は精神的なストレス、動揺、不安、怒りなどで容易に低下してしまいます。 ストレスとは特別なイベントだけで起こるわけではありません。面接があって緊張してストレスが溜まったこれもありですが、日常のちょっとしたことでも起こりうるものです。
不妊外来の門をくぐった瞬間、やたら待ち時間が長い、治療する側のちょとした言葉遣い、今日は足元が悪い天気だ!なんてこともあるでしょう。
心の中で「嫌だなぁー」って呟く瞬間に起こるのです。 そういう所を捉えて適切な治療を行い、肝の疏泄を確保することも私達のお仕事だと思っています。
ときに好きなことをして、好きなものを食べて、好きな人とお喋りしましょう。手足を大きく伸ばす日はとても必要なことだと思います。