伝統医学には独特の精神構造体系がある。
治療中は患者さんがどこの部分で詰まっているかを考える。
「霊枢」によれば、まず有形の体に神〔しん〕が宿る。
あーしよう、こうこうしようと思案する気持ちを意という。
決断して、これで行こうとする気持ちを志という。
決断の後具体的な計画を練る心を思という。
そしてその結果を先取りして予想する気持ちを慮という。
結果予想に対して対策を練る気持ちを智という。
神、意、志、思、慮、智は、それぞれ臓腑と結びつく。
思考発露から実際の行動までのどこの段階で苦悩が現れるかをみれば、結びつく臓腑を治療することになる。