2011/09
注射hMG−hCGの弊害で卵胞が急激に成長し、卵巣の腫大が起こり、表面血管から水分が腹腔内へ漏れ出したものを卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と呼びます。
このところ卵巣過剰症候群の患者さんが増えています。
この注射で過剰に反応する人としない人がいます。卵巣の過敏性が関与します。
一応の基準として体重が軽い人、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人、E2が3000pg/ml以上の人、タイミング法などでLHの代わりにhCGを使う人などが発症しやすいとされています。
とくにPCOSでネックレスサインのある人は要注意です。またこの注射ではなくても体外受精時に卵巣の調節としてGnRHアゴニスト(スプレキュア、ナサニール)使用する人も安全とはいえません。
2周期ほどの休息を取るケースが多いのですが、この間の精神的な心の持ちようが大事です。
ここまではドクターの領域で私たちには手だ出せません。患者さんも、どうしてそうなっちゃたの、と焦りまくる人、少し休養が取れたと喜ぶ人と色々です。
通常は、不妊治療の長期化の過程ではよく起こることを説明します。腹水との兼ね合いで水分摂取をどうするかはドクターの指示に従うようお願いします。
治療は気持ちを和らげる疏肝利気、卵巣の状態への対処として清利湿熱に活血を加味します。