夜間多尿は、夜寝ている時間帯に2〜3回以上トイレに起きる、或いは1日の内の1/4の量が夜間に排泄される状態を指し
いづれも夜間にのみ多くなる。
夜間のみという点が頻尿とはこのなる。
その為、頻尿とは病理も異なってくるので
ここでは夜間多尿について解説します。
一般的に原因となるのが腎陽虚と脾腎両虚。
察しの良い方ならお気付きだろうが、「腎」が大きく関わってくる。
それは、「腎」が尿の生成と排尿を行っているからだ。
①腎陽虚
腎の陽気が少なくなる状態。
膀胱に尿を貯めたれるのは、腎の気の「固泄作用」(物が漏れないように支える力)が働く為で、腎陽の不足が尿の溜まる力の低下を引き起こす
また、夜間は陽の力が弱まり陰の力が強くなる為に夜間多尿を引き起こす。
高齢の方は勿論、長患いなども腎陽を損なう為に発症する事がある。
②脾腎両虚
腎陽虚と同じで、陽虚の不足によって起こる。
違う点のは、こちらは脾陽虚を伴うということ。
尿を留めて置けない点はどちらも同じで、
腎陽虚であれば鈍い腰痛や耳鳴りなどを併発するが
脾陽虚が加わると下痢や未消化便といった消化器症状や、四肢の冷え、体型が痩せこけていく
と言った症状が現れてくる。
西洋医学で腎臓は尿の生成を行うが、東洋医学の腎も同じ様に尿との関わりが強い。
腎は水を司るという言葉があり、水分代謝を担当しているという含みを持つ。
尿の問題があれば、腎を疑うことが多くある。
スタッフ伊澤