前回の「不足による生理の遅さ」に対し、今度は「詰まりによる生理の遅さ」のお話です。
改めて、「詰まる」のは「子宮へ注ぐ経絡」。
子宮への気血の供給元が足りない不足型に対し、
供給経路で止まってしまい子宮へ辿り着きにくいのが今回のお話。
主に詰まるのは衝脈、任脈と呼ばれる経絡達。
①衝任寒凝
生物や冷たい飲食物の食べ過ぎ、雨に打たれた後に放置したなどの「冷えが原因」で衝脈、任脈の流れが悪くなる状態。
水を冷やすと氷になる様に、「冷え」には物を固まらせる「凝滞性」があります。
身体に冷えが入ると、気血を凝り固まらせて流れを悪くするのです。
これが衝脈や任脈を流れる気血の流れを悪くすると血が溜まるのに時間がかかる為に、生理が来るのも遅くなります。
他の症状としては、下腹部の痛み、詰まり故の血塊が出て血塊がでると楽になる。
その他冷えると悪化するなどがあります。
②肝鬱気結
精神面の影響、特に鬱々とした感情が気の流れを悪くし、血の流れも悪くしている状態。
感情によっても気の流れは変わりますから、気持ちと身体の健康は繋がっているのです。
「鬱々とした感情」は具体的には、何をするのも面倒でやる気が起きない様な、胸が塞ぎ込む様な、感情が動かなくて怠いような感じでしょうか
身体も気持ちも動かしたくない様な状態。
とにかくマイナスな感情です。
気が停滞した状態ですから、身体の気の流れも悪くなって、血の流れも悪くします。
その影響で子宮に溜まるのに時間が掛かるのです。
気の停滞をベースにしているので、症状も気の停滞でよく現れる
下っ腹や乳の張るような痛みを伴う事が多く、経血の色は赤紫色で血塊を伴う事があります。
激しい怒りの後や、イライラしっぱなし!という時の痛みの時は当てはまっているかもしれないですね
③痰湿阻滞
消化器系の機能低下や、甘い物・脂っこい物の食べ過ぎ、肥満などは水分の流れを悪くして「痰湿」を形成します。
痰湿も言い換えれば「水の詰まり」なので、他の病態と同じように気血を滞らせます。
特に衝脈や任脈を滞らせると生理が遅れるのです。
他の病態との区別は
経血の色が薄いこと、経血自体の粘り気が強いこと、帯下の量が多くなるなどが挙げられます。
最近10㌔体重が増えた〜といった、いわゆる肥満化の時に現れやすいです。
元々痩せ型の方が健康的な体重、体型になるのはまた話が別ですけどね。
以上、不足と詰まりによる生理の後退のお話でした!