生理周期が早くなるには、熱によって早く来る物、エネルギー不足で保持ができなくなる物とありましたが、
生理周期が遅くなるのはなんでなのでしょうか
今回はその原理のお話です。
遅くなる場合のポイントは大きく分けて2つ。
気血が溜まるのが遅いか
ではなぜ、溜まるのが遅くなるのかというと
①全身の気血の総量が少なく、子宮に貯まるのに時間がかかる。
②子宮に気血を送る経絡に詰まりがあって、子宮に気血が行き届かない。
この2つのどちらかが関わることが多く、症状の特徴も変わっていきます。
ではまた更に細かく、何が気血の流れを妨げているのかをみてゆきましょう。
衝任血虚
これは①の、血の量が少なくなるタイプ。
長患いや長期的な出血、産後と言った、血を消耗した人や
虚弱体質の様に胃腸が弱く血が少ない人に起こりやすいです。
症状は周期の遅れの他にも血の不足に由来して、経血量が少ない、経血の色が薄くなると言ったものが現れます。
その他、脈は弱く、舌の色も薄くなります。
②衝任虚寒
虚寒とは、気の不足が悪化した時に現れる気虚の発展型の1つで、気の温める力が弱くなり冷えをきたしている状態のこと。
生育環境や慢性病など、気が供給されなかったり大量に消耗したりすると起こることがあります。
子宮に送られる気も不足するので周期が遅れる事になります。
症状は周期の遅れに加え、経血量の減少。
他の部位では舌が淡くなる…と、衝任血虚ととても似ていますが、衝任虚寒は経血の濃度が薄く、色は黒め、痛みが続くといった違があり、
最も特徴的なのは手足の冷えや顔色の悪さ、脈が沈んで遅くなると言う、冷え症状が現れることです。
栄養不足+冷えがでたら、これを疑いましょう。
③陰虚月経後錯
陰虚は、身体の陰分の不足を指します。
陰分とは血液や組織液といった液体成分の事。
血虚を発展させたものと捉えることもできます。
この陰虚もこれまで挙げた虚証と同じく、長患いや感情の変化によって液体成分が減少する事で起こります。
これまでと違うのは、性生活の不摂生が陰の不足に関わる事ですね。
月経血量は減少し、経色は黒くなり、血塊ができることもありますが
顔や手足の火照り、口の乾きなどが同時にら現れる事が特徴になっています。
液体が不足しているのだから、乾燥するのは当然ですね。
これまで虚証によるものを挙げましたが、次回は詰まりによるものを紹介します。
伊澤