
今回は長くなりそうな予感
まずは基礎的なところから始めましょう。
寒邪の特徴
①寒邪は陰の邪であり、陽気を消耗させます。寒邪はその冷たいという性質ゆえに皮毛腠理(皮膚表面上にある防衛システムの総称)にあっては毛竅(汗孔)を収縮させ、衛陽を閉じ込めてしまいます。これで悪寒、発熱、無汗という症状が出やすくなりわけです。防衛システム初期段階の「発汗によって寒邪を駆逐する」という機能が作動していない状態ともいえるでしょう。
②寒邪には収引作用(縮こまらせる働き)があります。筋肉系にあっては縮こまって伸びないという特徴があらわれやすくなります。一部のぎっくり腰、神経痛などがこれに当たります。ときに冷たく感覚がマヒすることもあります。
③寒邪には凝滞性がある。凝滞性とは②の収引と似ているのですが、滞らせるという意味です。収引つまりぎゅっと縮こまらせるため、その何の流通物質の流れを停滞させてしまうということです。たとえばこれが筋肉なら中に気血津液が流れていますから、気滞や血瘀という張りや痛みを伴う病理があらわれます。
※ここまでを要約してみましょう
寒邪の第一の特徴は今風にいうと収縮病理を作り出すということです。
皮膚の収縮なら汗を介する初期防御システムの異常となり、筋肉の収縮なら感覚以上と伸展不可があらわれ、さらに筋中の気血が滞り、張りや痛みをあらわすことになります。
~続く~