こんにちは、今年より研修生として勉強をさせて頂いている伊澤と申します。
「中医熟記」という中医学の名言が纏められた書籍があるのですが、この中から何か役立ちそうな名言を紹介・開設させて頂きます。
初回である今回紹介する名言は 百病生于気也 怒則気上、喜則気緩、悲則気消、恐則気下、則気乱、思則気結 「多くの病は気から生じる。」という名言になります。
日本の慣用句でも「病は気から。」というものがありますね 慣用句は「病気は気の持ちようで良くもなるし悪くもなる」という意味ですが、中医学では違う意味になります。 中医学での意味は 感情による気の不調により病気が生じる になります。
感情の変化が病気の原因?と思いますが、名言の続きにその詳細が書かれています。
・怒則気上 これは「怒ると気が上る」と言っています。 怒っている人を想像してみてください。顔を真っ赤にしてカーッとなっていますよね。 頭に血が昇るなんて言いますが、正にその事です。 頭に気が上る事でカーッとなり、気には血を流す作用もある為に血も上って顔が赤くなります。 怒った後に頭痛や眩暈がする方がいるかもしれませんが これは上がった気が降りれなくなった時に現れる症状になります。 また、中医学において気を昇らせる作用は肝が担っており、 怒りによって起こるこれらの症状は肝の不調として捉える事もできます。 大昔から、怒ってる人を観察し感情と病は(症状)が関係していると結びつけたようです。
・喜則気緩 では喜ぶとどうなるのか?一見良い感情に見えますが、、 喜ぶ時、嬉しい時は身体も気分も良くなると思いますが、これは喜びという感情により気の流れが良くなる為です。 適度な喜びは体にプラスなのですが、過度になると流れが良くなりすぎて気が緩んでしまいます。 集中力が切れるんです。 これは精神活動を担う心という臓腑に影響するともいえ、ひどい時には狂乱に至る事もあります。
・悲則気消 悲しみになると、今度は気が消えてしまいます。 泣きながら嗚咽を漏らしたり胸が重くなったりしますね。 泣く、ため息を吐く等は気を多く消耗するため 泣きじゃくって疲れ果てる…というのは小さい頃に経験があるのではないでしょうか? また、嗚咽や胸周り等、呼吸器を担当する肺に影響を与えていると言うこともできます。
・恐則気下 これは怒りの反対で下に降ります。 恐れが強くて腰が抜けたり、失禁したりするのは気が下る為です。 また恐れは中医学で腎という臓腑に影響を与えるともいえ、 泌尿器や腰と、腎が関わりが深い為にこれらの症状が出るともいえます。
・則気乱 は驚くという意味で、驚くと気が乱れると言っています。 驚くと気が乱れて動悸がする…びっくりして息も上がって心臓がバクバクしていると考えたら想像に容易いですね。 恐とはなんとなく似ていますが、は想定外の驚きの事を指しているそうです。
・思則気結 思は思い悩む事。思い悩むと気がうっ結すると言っています。 悩み事があると食欲が落ちたり、お腹が変に張ったり、下痢をしたり… これは気がうっ結する事で消化器を担当する脾に影響を与えており、 常に流れていなければならない消化器の流れが悪くなって起きています。
この様に、感情の変化は身体全体に影響を及ぼします。 逆にいえば、身体全体で感情を表しているとも言えますが 不調の原因となる事もあります。 もし強く怒る等、感情の変化があった時は その後に不調が起こらないか観察してみてください! 名言紹介でした!
スタッフ 伊澤