●腸がグルグル鳴る●
「腸がグルグルを治したい」という目的で鍼灸治療にかかること中々ないだろう。
ただここ数日臨床で消化器の不調を訴えつつお腹が「グルグル」となる場面に遭遇する。
指摘するほどナンセンスではない。そして私もよく腸がなることが多い。
ちなみにグルグルではない「ゲコゲコ」とカエルのように聞こえる。
はて?どうしてこのような状況が生じるのか?
気になるので少し調べてみることとした。
●「腸鳴」とは?●
お腹がなることを中国伝統医学では「腸鳴(ちょうめい)」という。
腸の動きに伴い発生する音を指し、主に腸管のはたらきに異常が生じている際に見受けられる。
多くは、①消化器系統のはたらきの低下・②大腸にトラブルが発生することにより生じる。
臓腑の観点からすると、「脾」・「胃」(上記①)・「大腸」(上記②)ほか
全身のスムーズな運行の司令塔である「肝」・消化器系統のはたらきを補助する「腎」
のトラブルが原因であるとされている。
※東洋医学では、「脾」は飲食物の初期消化・「胃」は小腸への消化物の輸送を担う・大腸は糞塊の輸送を担うとされている。
これらの臓腑が失調することにより、消化系統や腸管のはたらきが低下することで「腸鳴」が出現するのである。
では?どのようにして五臓に失調がみられるのか?
中医書に記載されている「腸鳴」の6パターンについて次回以降解説していたいと思います。
スタッフ 杉本