最近、患者さんとの会話で「花粉症がつらい」という内容が多い。
ただ、新型コロナウイルスによりマスク着用を余儀なくされている状況からか、例年は鼻やのどもつらいは今年は問題なく「眼だけがかゆい」と言われていた。
自身も毎年のように花粉症に悩まされていたが、関東に越してきてからはご無沙汰している。
今回は、「眼の痒み」について解説を行いたいと思う。
●目の痒み(目痒)について
「目痒」とは、眼瞼周囲に痒みが生じ、ひどいケースには眼球が痒くてたまらない状態を指す。
ただ、眼球の状態・視力ともに正常な状態である。
痒みは、軽症のものはよく移動する・重症なものは虫が這うような強いかゆみが生じるといった特徴がある。
古典の中では「風」・「火」・「血虚」が「目痒」の原因であるという記載が見られる。
また、「目」は五臓六腑の「肝」と密接な関係があり(目への生理物質の供給は「肝」が行うとされる)、「肝」の失調は「目」のトラブルを招くとされている。
以下、解説に移りたいと思う。
①風熱による目痒外的環境により生じる。突然の気候変動により寒暖に異常をきたした場合に生じることが多い。特に春や秋に生じる。感受した気候が目へと連なるルートないし目にトラブルを生じさせるために目の痒みが生じる。
(特徴)
両目に耐え難い強い痒みが生じる・あるいは虫の這うような痒みである・目の灼熱感・涙が出るなどを有する。
(身体症状)
眼の異物感・目ヤニ・頭痛・咽喉の発赤など。
②風寒による目痒
外的環境により生じる。突然の気候変動により寒暖に異常をきたした場合に生じることが多い。(暑⇒寒etc)感受した気候が目へと連なるルートないし目にトラブルを生じさせるために目の痒みが生じる。
(特徴)
(身体症状)
悪寒がする・鼻がふさがるなど
③火盛による目痒五臓六腑の失調により生じる。臓腑失調により生じた熱が上昇し、両目に波及することで目の痒みが生じる。
長期間ストレスを感じる状況にさらされることや、突然の精神刺激が加わることが臓腑の失調や熱化を招く原因となる。
(特徴)灼熱感を伴う両目のかゆみ・目が赤くなるなど
(身体症状)口が乾く・口が苦い・尿色は黄色い・便秘など
栄養不足が原因による目のかゆみ。目が養われないことによって痒みが生じる。
目の酷使・消化器の消化吸収能力の低下・出血過多などが目の栄養不足を招く原因となる。
(特徴)
目の乾燥・面色は彩りがないなど
スタッフ 杉本
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