下痢は便が水のような状態になることを指します。
細かく説明すると、「水のような便の回数が増えること」・「1日に200ml以上の便をすること」が下痢の定義とされています。
小腸・大腸の水分吸収が減ることと胃腸から出る水分が増えることが原因とされている。
急性症状としては暴飲暴食などの生活習慣から生じるものが多いが、慢性症状としては、ウイルス・細菌の感染や潰瘍性大腸炎・過敏性腸症候群・大腸がんなどによって生じます。
●下痢についての東洋医学的解説
東洋医学では「腹瀉(泄瀉)」という。形のある大便ではなく、泥状、水様、未消化の大便を排便するとともに排便回数が増加する。
ちなみに「泄」は排便時に希薄な大便が緩やかに排出させる症状を指し、
「瀉」は排便時に清希な大便が水の様にまっすぐ流れ注ぐ症状を指す。
大便の性質・五臓六腑のどこに失調があるかなどによって分類されている。
①湿熱による下痢(熱タイプ)
多くは高温多湿な気候が原因。胃腸の機能や糞便を排出する機能が過剰となった結果下痢が生じる。
(身体症状)口の渇き・多くの水分を飲みたがらない・小便は赤色で渋る・腹部膨満感など
②寒湿による下痢(冷えタイプ)冷えが原因。なま物や冷たい物の過剰摂取・寒冷、多湿な環境によって活などによって胃腸が冷えてしまう。冷えは胃腸の消化吸収能力の低下を招くため下痢が生じる。
(特徴)サラサラとした水様便がでる・悪臭は生じない・お腹の痛み(温めること・さすることで軽減)・お腹の張り
(身体症状)食欲不振・四肢の重だるさ・頭痛・小便の量が多く無色など
③食積による下痢(食べ過ぎタイプ)食物が胃腸に停滞し、消化できなくなることが原因。暴飲暴食などにより飲食物の消化吸収から排せつまでの一連の流れに停滞をもたされた結果、下痢が生じる。
(特徴)お腹が痛むとすぐ下痢する・下痢した後は傷みは軽減・臭いを伴う
(身体症状)ゲップもにおいがする・食欲不振など
④肝気犯脾による下痢(ストレスタイプ)ストレスや感情の急激な変化に伴い発症する。精神的な刺激が「肝」の物質をスムーズに流す機能に影響を及ぼす。この機能の低下が消化器にも波及することで、消化吸収能力が低下し、下痢が生じる。
(特徴)下痢する前にお腹が張る・未消化便・下痢した後も痛みはおさまらない・精神的刺激によって誘発される
(身体症状)側腹部の脹り・食欲不振・ゲップなど
⑤脾虚による下痢(胃腸が弱いタイプ)消化器の弱い体質によく見られる。飲食の不摂生・過度の疲労・長期間大病を患うことなどが原因となる。消化・吸収機能の低下により下痢が生じる。
(特徴)大便が希薄で未消化物が混ざる・脂肪分の多い食事の摂取排便回数が増加
(身体症状)食欲不振・食後にお腹が張る・顔色は黄色い・心身疲労
⑥腎虚による下痢
長期間下痢が続くことや加齢が原因。消化・吸収能力の低下を招き、下痢が生じる。
(特徴)下痢は長期化して治癒しない・夜明け前に下痢することが多い・未消化便
上記代表的な6つの原因を挙げました。
「下痢」一症も調べれば調べるほど様々なことが記載されております。
ブログの更新が滞ってしまったため、またの機会に改めて掲載したいと思います…。
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎると左サイドバー《胃腸の不調》に収められています。