「頭が重いと感じる症状」を「頭重」という。「頭重」には頭痛やめまいをともなうことが多いとされているが、今回は「頭重」のみにスポットを当てて解説していきたいと思います。
①風湿型頭重(湿気型)
湿気などの気候(外的要因)が体内に侵入。湿気が気血の通り道である経絡(頭部)を阻滞させてしまった結果、頭重感が生じる。
(主な症状)頭部全体が包まれるような頭重感が生じる・陰天時に悪化する
(その他の身体症状)鼻づまり・体が重だるいなど。
気候由来のものについては、夏のように湿度が強く気温が熱いような状況が原因となる。また①の病態が発展(湿気が長期間とどまることで熱化)することによっても生じる。
内臓由来のものについては、アルコール・甘いもの・油濃いもの・味の濃いものの過剰摂取により、消化機能の低下から体内に余剰水分が生じる。水液物質が体内に長期間とどまることで熱化してしまう。
気候由来・内臓由来とも体内に存在する水液物質が熱化して、上部に侵襲し頭部の経絡を阻滞させるために生じる。
(主な症状)頭の重さ他、張った痛みも伴う
(その他の症状)顔が赤い・身体熱感がある、飲み物食べ物を欲さない・小便は黄色いなど。
③痰濁阻滞型(消化器失調型)
味の濃いもの・油濃いもの・アルコール・甘いものの過剰摂取により消化・吸収能力の低下が生じる。水液物質の運搬能力の低下により、身体に余剰水分が生じてしまう。この余剰水分が運行ルートの阻滞を招いてしまった結果、頭部に栄養・エネルギーがいかなくなるために頭重感が生じてしまう。また、余剰水分が頭部の運行ルート内に停滞することも一因として考えられる。
(主な症状)頭が重く頭部の揺れ感を伴う
(その他の症状)耳鳴り・眠気など
過労・もともとの虚弱体質から消化・吸収エネルギーの低下を生じさせてしまう。水湿の消化・吸収機能が低下し、頭部の経絡に水湿が停滞するために頭重がおこる。
(主な症状)いつも頭重を感じる・頭部がシクシク痛む
(その他の症状)顔色につやがない・精神疲労を伴う 頭痛・頭重感についても鍼灸治療の適応疾患です。
お悩みの方はぜひ一度当院までご相談ください。
スタッフ 杉本