2020/11
古代中国人は内臓を五臓六腑にカテゴリー化して、その病理を研鑽する。
五臓はそれぞれ個性をもつ主役級の内臓。
六腑はおもに消化器系のそれぞれの部位を指す。
つまり六腑でいかに栄養物を消化吸収して、それを五臓がそれぞれの役割で運用するかということであろう。
銀行に喩えると一般の人から預金を集める業務が六腑の役目、そのお金を企業に貸し出すか?国債を買うか?はたまた個人の学資ローンや住宅ローンに回すのが五臓の役目ということだろう。
古代中国人の目の付け所の凄いのは、この五臓が独立した器官でありながらも、互いに連絡を取り合う関係だということに着目した点であろう。
つまり相互に依存しあっている点に気づいているところが凄いのだ
ではどのような依存関係があるのか?
当然ながら五臓のカテゴリー化は当時の先端科学である五行論の影響を受けたものであるから、相生、相克関係論に行きつく。
相生はAが正常だとBも正常に働くというスタンダードな関係。母子関係になぞらえる。
病理ならAが異常なら次はBが異常になるということにも繋がってゆく。また先にBが正常化を失えば、このベクトルは逆転しAの異常も起こりやすくなる。
A→B、B→Aということだ。
次は相克である。これは適度の規制というか監視関係である。
AはBを飛ばしてCを監視もしくは規制する関係にある。この監視力が強すぎるとCを萎縮させ、ある種の病理に至らせるということである。逆もある。CがAの監視力を凌駕する力を持ち始めると、今度はCがAを攻撃するようになる。逆恨み??
A→C、C→Aということだ。
時代が過ぎるとさらに詳細な五臓の気の動きがわかってくる。
すると気の動きというか動く方向から生理・病理を考えるようになる。
では、今日は疲れたので、また近いうちに②をupします。
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