少し初学者向けの記事かもしれません。
「刺痛・固定痛(固定性の痛み)」、「夜間痛(夜間に痛むこと)」。
これらは教科書上の血オ症状の特徴です。これさえ覚えていれば試験(血オについて)はパスすることができるでしょう。治療法を学ぶ東洋医学臨床論では「活血化オ」を選択すれば正解でしょう。
しかし臨床に出てみるとここまで単純でなく考えることがとても多いです(血オだけではないですが・・・)。
そこで以下、自分なりにまとめてみることとしました。
血オとは血の流れが停滞しておこる病態を指します。
1)運行がスムーズでないこと、2)脈内から血が漏れ出て吸収されないことが発生原因とされています。
各々考えられる原因として、
1)運行がスムーズでない
①気虚タイプ(運搬する力の低下)・②気滞タイプ(運搬する力が滞ること)
③水湿過剰タイプ(一緒に流れる水液物質がベタベタ)・④冷えタイプ(血を固めるイメージ)
⑤熱タイプ(煎じ詰められるイメージ)、⑥脈カチカチタイプ
2)脈内から血が漏れ出て吸収されない
①気虚タイプ(血を脈内にとどめるエネルギーの低下)・②外傷等の物理的圧迫
上記一例かと思われますが、書き出してみると血オ形成には多くのパターンが存在しますね。
血オのみに視点を当てるのか、血オ形成のもととなる原因もアプローチするのか、両方するとしたらウエイトはどのようにするのか・・・。臨床ではあれやこれやと頭を悩ましております。
長くなりそうですので、各タイプの解説は次回の記事で行いたいと思います。
興味のある方は次回もお付き合いいただければ幸いです。
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎると左サイドバー《基礎中医学》に収められています。