「頭痛」ひとつにしても、いろいろな種類があります。
まず、現代医学的な解説を簡易的に行った後、東洋医学的にも解説してみたいと思います。
現代医学では、「頭痛」は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます。
「一次性頭痛」ははっきりとした原因がないことが多い。いわゆる「頭痛もちの頭痛」です。
①「緊張型頭痛」、②「片頭痛」、③「群発頭痛」が該当します。
①緊張型頭痛=頭を囲む筋肉そのものが痛む・頭を囲む筋肉の異常収縮により神経が障害されて痛みが生じる。締め付けられるようなこと痛みが多い。 運動不足・不良姿勢・ストレス・寒冷・冷気刺激が誘因とされる。
②片頭痛=頭蓋骨の中にある血管をコントロールする神経が刺激された結果、血管が広がったり・炎症が引き起こされることで、炎症反応が血管に遷延される。この刺激が脳に伝えられて頭痛として出現する。血管が拍動するような「ズキンズキン」という痛みで、悪心も伴うことが多い。
③群発性頭痛 =眼がえぐられるような激しい痛みが片側に出現する。頭痛は30分〜2時間くらい続き、毎日同じ時刻に1日1回出現することが特徴である。
対して「二次性頭痛」は原因がはっきりとしており、頭蓋骨の中に病変が見られることが多い。原因としては、外傷、感染、脳腫瘍、自己免疫疾患などが挙げられます。中には生命にかかわるものがあり、くも膜下出血が代表的です。よくバッドで殴られるような痛みと比喩されるように激しい痛みを伴います。
◆東洋医学的解説
東洋医学では、大きく「外感頭痛」と「内傷頭痛」に分類することが出来ます。
頭痛の原因をどこに求めるか。外感頭痛は気温や湿度など外的環境に、内傷頭痛は、体のエネルギー・栄養・体液などの生理物質、五臓六腑の失調に原因を見出します。
●「外感頭痛」:寒暖差により生じる「寒さ①」や「暑さ②」。また「湿気③」などにより生じる頭痛。気温・気候が原因とされる。
①風寒頭痛:冷気に触れることで、首と背中にこわばりが生じる。温めると楽になる。
クーラーがガンガンかかった部屋にいると背筋がゾクゾクし、頭が痛くなる様子や冬の時期に風を引いてしまうイメージ。
②風熱頭痛:熱の上に昇るという特徴のもと頭部症状として出現。その他、顔が赤くなる、のどが渇くといった症状が現れる。炎天下の中での活動を行い頭が痛くなるイメージ。体に熱がこもっているため、熱を外に逃がすことがよい。
③風湿頭痛:湿気により生じる。頭部症状として「頭の重だるさ」として出現。梅雨時期や雨天時に全身に加えて頭も重だるくなるイメージ。
●「内傷頭痛」:体内の生理物質の不足や滞り、五臓六腑の失調によって生じる頭痛です。体の中のトラブルから生じる頭痛です。
①中気虚頭痛:体の中の消化器トラブルによってエネルギー物質を消化吸収できない・また頭までエネルギーを持っていくことで生じる頭痛。
②血虚陰損頭痛:全身の栄養物質が頭部へと供給されないことによって生じる頭痛。シクシクとした痛み。
③オ血阻絡頭痛:外傷や血(栄養物質)の循環障害により血が滞ることで生じる。運行障害を引き起こし痛みの程度は激しく、同じ場所が痛むことが多い。
④痰濁上蒙頭痛:飲食物の消化不良・飲食物の不摂生により体の中に余剰水分が生じる。その余剰水分が頭部へ作用することで頭痛として現れる。
⑤肝陽上亢頭痛:身体を冷ます役割を果たす陰液を消耗したことにより相対的に熱が生じてしまうことで起こる頭痛。熱症状であるために、眩暈、のぼせなど頭部症状を伴うことが多い。
参考文献:「中医症状鑑別診断学」
著:スタッフ 杉本