肩こりとは、「首・肩・上背部などに重だるさ・ハリ・痛みなどの自覚的な不快な愁訴があり、他覚的にも筋の過緊張・圧痛が認められる状態」を指します。
主な原因としては、「①筋疲労による血行不良」、「②内臓疾患による関連通」が挙げられます。
◆「筋疲労による血行不良」
頭部の重さは6〜7kg。私たちの肩は頭部を支えており、この重さがのしかかっています。つまり、肩の筋肉に負担がかかりやすい構造になっているのです。肩の筋肉が緊張して血液の流れが悪くなると、疲労物質がたまったり、栄養分の補給がうまくいかなくなったりします。その結果、筋肉がこわばって肩こりが生じるのです。
原因としては、長時間の同一姿勢の保持・運動不足・ストレス・寒さ・眼精疲労が挙げられます。
◆「内臓疾患における関連通」
内臓疾患・顔面の諸器官からの関連痛として、肩こりを訴えることがある。
例として…
・心臓疾患(狭心症、心筋梗塞など)→胸痛とともに左肩に疼痛が放散。
・胃疾患(胃炎、消化性潰瘍など)→心窩部痛、嘔吐、胃症状ともに左肩肩こりが出現。
・肝疾患(肝炎、肝硬変など)→全身倦怠感・特に右肩こりを訴える。
・胆疾患(胆石症、胆のう炎)→右肩、右背部への放散痛、疝痛、など。
杉本著