腎精とは何だろうか

2020/5

ちょっと難しいですがお付き合いくださいふらふら

我が国では医学用語から一般用語に転じたものが少なくない。

たとえば「元気」がそれ。

もともと根本的生命力を表す医学用語が一般用語に転じたものである。

××先輩と十年ぶりに会ったが元気そうだったよーという感じ。

これとほぼ同上の意味で用いるのが今回説明する腎精

××先輩と十年ぶりに会ったが腎精そうだったよーとは言わない。

この腎精は先天の精で作られ、後天の精により育てられる。

先天の精は生まれながらにもつものとされ、誕生のその瞬間から持っている生命力。つまり母胎ですでに獲得したもの。

後天の精は、その先天の精を育てるとあるので、成長過程を促すものの総体で大きくは飲食物を指す。

つまり先天の精で作られ、後天の精により育てられる腎精とは、有り体に言えば母胎から飛び出した瞬間の心身がその後成長そして老化、最終的には死という一連のプロセスの中で、最も最小単位の物質ということになる。

腎に貯蔵されているので腎精というが、本位はということである。

精は気血と共にからだ中の組織・器官にある。たとえ気血が十分でも精がないとその組織・器官は死んでしまうことになる。

気血は組織・器官の機能維持に必要な物質であるのに比べ、精はその生命維持に必要な物質ということになる。

腎に貯槽された腎精から転化し作られるのが腎気。

腎気を機能と実体と両面から見ると二つの顔が浮かんでくる。

腎気がさらに熱エネルギーに転化する際に必要なものが腎陽。

腎気が飲食物などから実体的な栄養を取り込むために必要なものが腎陰。

さらに腎精から種の保存に最も必要な生殖に関わる物質を生産する。

これを「生殖の精」という。そのまんまのネーミングだけど爆弾

男子の精子、女子の卵胞に相当する。

男子は8×2の16歳前後、女子は7×2の14歳前後で作られる。

これが男子は8の倍数理論、女子の7の倍数理論に繋がってゆく。

腎精が徐々に充実してこれくらいの年代で生殖の精を生産するまで成長したということだろう。

この辺りのことをよく理解して治療学上に応用できる専門家はまだまだ多くない。