お疲れ様です。金澤です。
治療上、問診で倦怠感の有無を尋ねたりします。患者さんの主訴で治療することもあります。
倦怠感とは、”身体がだるい””身体がしんどい”など何か行動するときの疲れやすさや脱力感だけでなく、”やる気が出ない””集中力が続かない”などの精神疲労も含みます。
臨床上、倦怠感だけでは身体の状態が見えないので具体的に聞きます。
東洋医学での分類を3つ
1、気虚:気の不足を指します。気はエネルギーであり身体の活動を主っています。気虚によりエネルギーが不足すると活動能力が低下し倦怠感が出てきます。代表的な例は疲労悪化、夕方悪化、長期の睡眠不足や多忙なライフ・ワークスタイルなど
2、水湿(痰飲):余分なお水を指します。余分なお水が身体に溜まって動きにくくなり倦怠感を出します。洋服が雨に濡れて重い状態とイメージするとわかりやすいかもしれません。この場合、動き始めが辛いですが動いていくと緩解すると因子があります。動くことによって水が還流し倦怠感がとれやすくなります。代表的な例、下肢を中心とした倦怠感(水は重力によって下に落ちやすい)、胃腸の疲労、食後悪化など
3、肝気鬱(気滞)気の停滞を指します。肝の疏泄が気の巡りを調節しています。この疏泄の失調が起こることを肝気鬱と言います。肝の疏泄はのびのび気持ちよくしていると順調にめぐりますが反対に悶々とした気持ちや不快な気持ちになったりすると疏泄失調が起こりやすいです。
このケースは倦怠感があるにも関わらず行動との矛盾があります。倦怠感があるが動いてしまう(正確に言えば動かなければならないかも)、たくさん喋るかたもいらっしゃいます。気の停滞を動かすために身体を動かして巡らせているものだと感じます。一般的に倦怠感がある方は休むと思いやすいですが倦怠感=休みたいではないのです。
このように倦怠感といっても色々な性格や特徴があります。それを分析しながら治療を行います。
~院長より~
ここに挙げたのは大きく3タイプ。
あなたはどのタイプが強いでしょうか?
※気虚タイプ:とにかく休息です。睡眠が最も効果的です。疲労の蓄積を避ける《5:1の法則》を習慣化しましょう。50分仕事したら10分休むという意味です。
※水湿タイプ:水分、陰陵泉の2穴にお灸(千年灸で可)もよいです。末端(手先、足先)をよく動かすこともお灸同等の効果があります。
※肝気鬱タイプ:適度な運動が効果的です。これが筋肉疲労があれわれます。ここは疲れている。でもここは動かしたいという感じです。まぁ~、精神疲労が加わるとこれもわからなくなりますが。。。とにかく全身を均等化するイメージの大きなストレッチなどは効果的ですね。