2015/11
医療関係のお仕事の方。
一応の病名は過敏性腸症候群。
昨年夏より慢性前立腺炎。
頻便、腹痛、肛門痛が出現。
痛みが現れると過緊張状態から動けなくなる。
まず小腸気滞から始める。
クローン病、潰瘍性大腸炎はないだろうとのこと。
肛門痛は陰部神経近くに鍼を届かせる。
色々お話しながら少しづつ職場復帰を目指す。
お疲れの際は腎虚に対処。
※最終目標は肝気鬱を取ることです。
〇この例は本人の医学知識が高く、意向を最大限組みながら治療を組み立てることにしました。
それが本人の理解に繋がり、肝気鬱を取ることにも繋がります。
大きな弁証より、その場の最大のことをする、という方針で功を奏した珍しいケースである。
※この症例では肝気鬱、ご本人の言葉なら極度の緊張や強い不安感が見えました。
そこで少し遠回りでしたが、あえて多岐にわたる症状をひとつずつ拾い上げ、
拾い上げた治療方針を説明し、医学的な頭で納得してもらいながら進めました。
ときに患者さんの意見を取り入れたりもしています。
理解ー納得ー信頼ー症状緩和ー不安感の減少という進め方です。
山の頂を目指す道から整理してゆく感じでしょうか。
急がば回れという感じです。
この諸症状は不安感を因とする極度の過緊張によるものなので、そうそうは良くはなりません。
そこで不安感を取り除くための治療を捨て、細かな症状の緩和から入ったレアーなケースでした。
本丸を最初から捨てることで本丸を目指すという感じです。