伝統医学の世界観では魂も魄も大事な精神作用です。
まず道教観では以下のように考えます。
魂は精神を司る気、魄は肉体を司る気を指します。
その後、陰陽論と結びつき魂は天に帰し、魄は地に帰すとしました。
それが民間で一般化する過程で、細分化し三魂七魄となります。
三魂は天魂、人魂、地魂である。
天魂は死んだら天に帰る気、人魂は墓に残る気、地魂は地に帰る気でで出来ています。
七魄は喜、怒、哀、懼、愛、惡、欲。怒り、哀しみ、おそれ、愛情、憎しみ、欲望のことです。
宋代に入ると朱子は気の運動形体について考察を深め、世の中のすべては気によって生じるものであり、
人も例外ではないと考えます。
人は精密な気(精気)で構成され、生を受けるのですが、この気が体内から天に向かい散じ、すべて出尽くすと死に至ると考えました。残った肉体は腐食し、土に帰ります。
この天に散じる気を魂という名から神に、土に帰る肉体(陰気)を魄から鬼という名に変えます。
朱子の考える気は伸縮するものなのですね。