2012/6
今月比較的妊娠まで至る方が多かった。
その中でも印象的な例である。
不妊外来へ通うこと5年。この間、妊娠反応が2回ある(胚移植)。
いずれも心音確認前後で流産する。
当院での鍼灸治療も6ヶ月目に入る。
月経周期、月経日数は問題ない。3cmほどの筋腫はあるが、位置的に問題はなさそう。
高温相への移行に時間がかかり、月経量も少なめなことから、E2の低値や黄体の機能低下を予想する。
後にホルモン値からもそれを確認する。
気になる点は職場に公にしない形で5年間不妊外来に通っているところ。
〜これでは時間の作り方や、休む理由づけを見つけるなどがかなりしんどいと思う〜
予想通り、相当に気持ちを保つがしんどくなってきている。
眉間に皺が寄りすぎだよ???
弁証では肝の疏泄失調が顕著に現れている。
ときに現われる頭痛や胃腸障害および排卵、月経の予定日のズレは見事なまでに肝の疏泄失調による。
治療は補腎養血とする。
胚移植との併用なので2〜3回目までには妊娠は可能と判断する。
問題はどう肝の疏泄を順調にするかである。
友達風に会話を作り、なるべく思っていることをしゃべってもらえるよう心がける。
ニコニコ顔になる会話に努める。
予想通り鍼灸を始めてから3回目の移植で心音確認の壁は越えた。
肝の疏泄の調整は、こちらの思い以上に不妊治療を良好な結果に導くことができる。
※新着時期を過ぎるても左サイドバー《臨床のお話》に収められています。