湯液は生薬を組み合わせたもの、一般にいう漢方薬のことです。
薬膳は手に入る食材を中医学の考え方で組み合わせたお料理といったところでしょうか。
もちろん生薬を使用することもありますが、基本は私達が日頃食べている食品が主体です。
中医学版機能性食品といっても良いでしょう。
例えば体がほてる、顔が赤い、咽喉が渇き水分が欲しいとなれば、体温の高低(体温計測)を問わず、体に熱邪があると考えます。そこでこの人は熱証であると定義します。
漢方薬なら清熱薬、たとえば白虎湯などを、薬膳(食品)ならキュウリやトマトやスイカを食べようとなるわけです。
一見同じ方法論なので効果が同じように見えます。
しかし、この話には生薬と食品の本質的違いという視点が抜けています。
○生薬は薬効が高く、栄養価が低いという特徴があります。
○食品は逆に栄養価が高く、薬効が低いという特徴があります。
この特徴から生薬は薬として用い、食品は日頃から食べることができるわけです。
ちなみにこの中間に位置するのが薬味(やくみ)です。
では食品を薬的に用いるにはどうすればよいのでしょうか?
答えは量的増大、つまり薬効が低い分大量に食べなけばならないのです。
熱邪をさばくなら、自身の感覚ではキュウリなら10本、スイカなら大玉一個ぐらいは必要です。