今年も良書と巡り合うことができました。ミヒャエル・エンデ氏の『モモ』や辻信一氏の『常世の舟を漕ぎて』などです。
良書に出会うと自分の内面と直面せざるを得ない状況に追い込まれます。一時には少しばかり精神バランスを崩したりするものですが、そのうち安定に向かい、患者の内面とも今まで以上に対峙できるようになる気がしてきます。
とかく中医書や古典類などの漢字ワールドに浸っていると、また原稿書きに精を取られ過ぎると、心のゆとりがなくなります。
我々は理をもって病態を分析し、技をもって理を表現します。そして心のゆとりをもって患者を包みます。
不惑を過ぎると腕力で治療することにかげりが見えてきます。理や技とともに心の成長が是非に必要になるのではないでしょうか。
心の栄養に気を使いながら日々の臨床を大事にしていきたいものです。
養生は何も体のことだけではないのです
それには良い本と出合いたいですね。 (医道の日本年頭所感より)
