中国,北京 |
この街は計20数回足を運ぶ。義姉の家があり、数週間〜数ヶ月の研修もすべて
ここ北京。知人、友人も多く、外国に来たという感じがまるでない。
この街の特徴は、行くたびに街の景色や人の服装が変わるところである。まさに首都北京は躍進中国の象徴である。
2年前は、オリンピックの前で、前門全体が瓦礫の山と化していた。毎月新しい地図を発行しないと間に合わないくらいだ。
初めて訪れたのが20年前、噂どおり人、人、人、自転車、自転車、自転車であった。牛で荷を運ぶ人もいる。
友諠商店では、扇風機が店員にしか当たらない。客は汗だく、物を買うときいかにもめんどくさそうな素振りをみせる。寝ている店員も数知れず。地下鉄はともかく、バスに乗るときは戦争状態。やっと確保した椅子に座ると、膝の上に子供を乗せられたこともある。
国営ホテルの象徴王府井の北京飯店は、20年前なら、それこそ豪華という感じがしたが、今では外資系に押され、全く存在感がない。
靴直しのおじさんの手間賃は5元、散髪も5元。すべがてが驚きの連続で本当に楽しかった。
比べて今は、その感動が薄らぐ。慣れもあるが、資本主義で見られる他国の大都会と何ら変わりがない感じがしてきた。それを世間では発展というのだろうが、壊され行く胡同を見ながら一抹の不安も覚える。東京がオールド東京を保存しなかったことで、心の帰省地を失った二の舞は起こさないで欲しい。
今回は自身が主催する研究会『漢方の三旗塾』の4年に1度の海外研修のために訪れた。
場所は北京中医薬大学となりの中日友好病院である。総勢19名で、ちょっとしたツアーの様を呈す。
若い頃、一ヶ月ほどこの病院内の伝統医学リハビリセンターで研修したことがあり、そのとき昼寝をした南宋風庭園が当時のままあり、嬉しくなる。
今回は皮膚科、針灸科の2科の研修をメインに置く。
研修内容を報告する項ではないので、詳細を省くが、短時間の割に集中した研修が出来た。
後はもっぱら本屋めぐりである。全員で300冊ぐらい買っただろうか。東京で買う10〜20%くらいで原書が買え、お得感があり、つい買いすぎてしまう。東単の健康書店が教科書類が充実する。6年ほど前に寄ったとき、自分の書籍の翻訳本を見つけ、少し嬉しいやら恥ずかしやら複雑な思いをした。
王府井の新華書店でも良いが、値の張る書籍が多い。ただ、まとめ買いなら10%は値引きできる。中医薬大内の書店も交渉次第で値引き可能。
最近は格段とアクセス事情がよい。とくに地下鉄は8号線まで出来上がり、非常に動きやすい。
ちょっとした買い物はより王府井より西単が良い。北京ダックの全衆徳は前門店(本店)がやはり一番おいしい。
故宮、古い方の万里、頤和園は1度足を運んだ方がよい。
電車で5時間ほど揺られると、承徳という街がある。元朝が北京に入場する前の都で、中国に同化する前の元朝を感じることが出来る。