痔というと中年男性の疾患というイメージを持たれている方は多いかも知れません。
意外にも患者の半数近くは女性なのです。
男性でさえ「痔?」と思っても受診することをためらいがちですが、女性とくに若い方ならなおさら放置しがちです。
しかし、正しい知識を持ち、適切な対処をしないと後に痛〜い思いをすることに・・・
痔には3つのタイプがあります。
排便時に肛門が裂けるように痛い。その症状のとおり「裂肛」、俗に言う切れ痔です。20代の若い女性に多く、便秘による硬い便で肛門の粘膜が傷つきます。
便をするたびにいぼが出る「痔核」、いわゆるいぼ痔は、30代、40代に多くみられます。
肛門付近の血管の一部がこぶ状になりいぼ痔となります。排便時のいきみ過ぎ、長時間座りっぱなし・立ちっぱなしや出産時のいきみなどで発生しやすくなります。
いぼ痔があるのをわかっていながら、見て見ぬふりをしてしまった・・・放置したまま少しずつ進行し、気がつくといぼ痔が脱出したり、戻らなくなってしまう「脱肛」にまで悪化してしまうことも・・・。
若い年代の方は肛門の粘膜に張りがあるため、硬い便により裂けやすい。だから、切れ痔が多くなります。30代を迎えると徐々に肛門も老化への道をたどります。弾力性が減少し、血流が悪くなり、いぼ痔ができやすくなります。肛門付近の筋力も低下していき、筋がゆるんでいぼ痔が戻りにくくなります。
痔かな?と思うきっかけは「出血」です。しかし、その症状は大腸がんの初期症状でも見られます。大腸がんは食生活の欧米化が影響し、日本では近年増加傾向にあり、日本人のがん患者数の第1位に迫る勢いです。極端に細い便が出る場合は、早めの検査をしたほうが良いでしょう。
排便時に出血があっても、正しい知識と適切な対処をしていれば、あらぬ心配をする必要もありません。
鍼灸では、百会という頭のてっぺんにあるツボが効果的とされています。飛び出た肛門を上へと引き戻すイメージです。
ただし百会に適応する痔は、出て戻らなくなったものや、疲労で出てくるもの、あるいは脱肛なのです。
裂肛には肘の少し下の孔最が適応します。
いぼ痔は、患部近く、尾骨の先端の長強を取るとよいでしょう。