石灰沈着性腱板炎

通勤途中にある家の庭に河津桜とソメイヨシノが一本ずつ植えてあるのですが、満開の赤と少しずつ

増える薄ピンクを見るのが毎日の楽しみになっている研修生の大久保です。

 

さて、今日は石灰沈着性腱板炎のお話です。漢字というのはありがたいもので、字を読めば何となく

お分かりですよね。石灰(カルシウム)が沈着して腱板(肩)の炎症を起こしたという事です。

肩はほぼ全方向に動きますので、その動きをサポートする為に三角筋を始め、大小9つの筋肉が

肩の関節を横断しています。その腱や関節を保護する袋の中で石灰が挟まって痛みが出るのです。

 

因みに、よくスポーツクラブで「筋と腱て何が違うの?」と、聞かれるのですが、大まかに言うと

一緒だと思って頂いて結構です。皆さんがよく知るアキレス健はふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋が

足首付近で合流して硬くなったものです。そう考えると一緒ですよね!

 

話は戻りますが、この腱板炎を治療した時の事です。

鍼が苦手で時々肩や腰の痛みをマッサージで治療している方なのですが、三日ほど前からいつもの痛みとは

違う激しい痛みが出たという事でした。思い当たる原因を聞くと「つまずいた時手か肘を突いた」「重たい

ケースを棚の上に乗せた」と複数ありましたが、これらの結果で身体に出る症状は“気滞”“血オ”

“経絡損傷”“経絡阻通”となり、どれも治療法の共通点は行気があるので、マッサージの行気作用でも

効果が期待できると判断し、その日の治療を終えました。

 

後日病院を受診された所、レントゲンに石灰が確認され病名が確定されたのですが、治療の次の日から

痛みは引いたので様子見という事で帰られたそうです。

 

あれから二週間経ちますが、痛みの再発も無いので今回は行気が上手くいったと言えるかもしれません。

物理的に考えても関節に石灰ができる今回の例や、筋肉が拘縮する五十肩など、肩周辺の疾患は

長い治療期間が必要になる事が多いのですが、幸いにも短期間で改善できた症例となりました。

 

研修生 大久保昌哉

 

IMG_4785.jpg

まだ私に見せられる筋肉があった時の三角筋…

 

※新着時期を過ぎると左サイドバー《石灰沈着性腱板炎》に収められています。

石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)

石灰沈着性腱板炎とは

肩甲骨から腕に繋がる筋肉(腱板)周辺に石灰が沈着することで炎症を起こし、肩の動きが伴う動作に痛みが生じます。

石灰の大きさや炎症度合いによって痛みのレベルは変わってくるので激痛〜日常生活での動作痛まで幅はあります。

 

下記によく起こる症状を挙げてみました。

・夜中、寝ている時に痛む

・動かすだけで痛みがでてしまう

・寝返りで痛み起きてしまう

・洗濯物が干せない

・頭を洗う動作がきつい

・エプロンの紐を後ろで結ぶのが痛い

・ベルトを通す動きで痛む

など

肩の動きが伴う様々な動作で症状が出ます。

 

治療としては

・炎症が強いと判断した場合→抗炎症のツボを用いて炎症を抑えることが第一義になります。

・炎症よりも石灰による引っかかりや詰まりによって痛みが出ている場合

@    鍼灸によって疼痛の緩和

A    石灰は鍼では壊せないので石灰部付近の循環改善

B    引っかかりや詰まりと関連のある経絡の調整(遠隔のツボを使う)

C    肩以外の首、肘、手首のツボの反応をとる

D 引っかかりや詰まる部分にスペースを作るような鍼をする

この5つを中心に組み立てていきます。

 

石灰沈着性腱板炎でお困りの方へ

五十肩同様、石灰沈着性腱板炎の治療は根気のいる治療になります。

激痛があれば痛みを取り除く治療を行い、痛みがある程度落ち着いてきましたら凝り固まって(拘縮)を緩める手法を取っていきます。この凝り固まった筋肉を柔らかくしていくのに時間がかかります。過去の臨床例からみると数回ではよくなりません。ときに数カ月以上はみておいた方がよい疾患ですが、できるだけ最短で症状の改善に努めてまいります。

sakura3.jpg

※新着時期を過ぎると左サイドバー《石灰沈着性腱板炎》に収められています。