先日、「頭の冷え」を主訴の患者様がお見えになられた。
中医書の記載には「頭冷」とある。頭部の冷えを自覚し、帽子や衣類などで頭を覆うと症状は軽減・冷たい風にさられれると悪化する、とされている。
頭痛やめまい症状が付随することが多い。ただ、今回は「頭冷」のみに焦点を当てて解説していきたい。
●「頭冷」についての東洋医学的解説
考えられる原因は大きく分けて2つ。1つ目は頭部が寒冷刺激にさらされること・2つ目は頭部の温める力が不足した結果冷えが生じることが挙げられる。
①厥陰中寒(けついんちゅうかん)頭冷
外的環境からの寒冷刺激によるもの。寒冷刺激が体内に侵入する。侵入した寒冷刺激が頭頂部につながる経絡(東洋医学的なエネルギー・栄養分の運搬ルート)へと到達することで頭冷が生じる。冷え症状が強く顔色が青白い・四肢の冷えなどが見られる。発症が急激であり頭痛や頭冷は強いが長くは続かないことが特徴である。
②督脈虚寒(とくみゃくきょかん)頭冷
頭頂部に連なる経絡のトラブルが原因となる(①とは別ルート・督脈という)。督脈は全身を温める力やエネルギーを総括する特徴を有す。働きすぎ・長い間病気を患うことなどにより督脈上のエネルギーが損傷。その結果、温める力が不足するため、頭頂部において冷えが生じる。働き過ぎ・長い間病気を患うことなどが原因とされる。背中や腰の冷えも見られ、頭冷同様温めることで症状が軽減することが多い。発症は緩やかであり、症状はさほど強くはないが長く続くことが特徴である。
当院では「頭の冷え」も治療対象です。お困りの方は一度当院までご相談ください。
スタッフ 杉本