20012/04
このところ陰部神経痛のお問い合わせが多くなりました。
診断:陰部神経痛は症状からの診断は容易ではありません。
一般に内診しなければを確定診断は適いません。直腸内指診で陰部神経に触れた際に圧痛があり、それが患者さんの日常の圧痛と同部位であれば陰部神経痛と認めます。
症状:痔核、裂肛、痔瘻、直腸癌などは肛門周辺の疼痛となるのに対して、陰部神経痛はもう少しの奥の痛みになります。痛みの性質は鈍痛〜激痛といったところです。
また、会陰部や骨盤内面の痛む方も少なくありません。
排便障害のある方もいます。陰部神経痛の場合の排便障害は、直腸性排便障害です。便が直腸まで来ているのに、出にくい、残便感があるなどの症状をあらわします。
直腸性排便障害のある方は、結腸が便を押し出そうと痙攣することもあります(結腸運動障害)。
肛門深部から上に向かって突き上げる痛み(消散性肛門痛)のある方もおられます(当院では今年2例の方が該当)。
また主体的症状ではありませんが、肛門括約筋の静止圧及び随意圧が低下し、便失禁する方もおられるようです。
《考察》陰部神経痛の原因は、出産やオペによる直接の陰部神経の損傷のケースもありますが、大半は原因不明です。前者の損傷ケースでは現時点では鍼灸の有効率はそう高くはありません。それ以外のケースではかなり高い有効率を示します。