よく鍼灸学校の学生などに頚管粘液は「眼に見える腎精(生殖の精)である」と教えることがあります。
僕はそう考えています。ただこの視点は中国の中医婦科専門書にはありませんが・・・
頚管粘液はエストロゲンに反応します。
排卵前のエストロゲンがMAXなったとき、質的変化を帯びたおりものが出ます。
これが頚管粘液です。良質の頚管粘液は極めて精子が侵入しやすい状態をつくります。
つまり妊娠率が上がることになるわけです。
では、良質の頚管粘液とはどのようなものをさすのでしょうか?
1、粘稠度が低い
2、量が多い
3、無色透明
4、牽糸性が高い(糸の伸びる程度、10cm以上)
5、シダ状結晶(可視できない、顕微鏡所見)
良質の頚管粘液はこの5つが揃うことです。
腎精(生殖の精)は、原始卵胞の生成ー2次卵胞への進展ー成熟卵胞への成長および頚管粘液の排出と大いに関わりますが、卵胞の成長過程は残念ながら可視化できまんせん。見えるのは頚管粘液の状態だけなのです。
頚管粘液があろうとなかろうと人工授精だから体外だから関係ない、という意見もあるかとは思います。
しかし、生殖全般に関わる腎精の判定として頚管粘液の考えるなら、このサインを疎かにはできません。
治療は精を増やす(益精)の鍼灸を行います。場合により補気、補血、補陰などを組み合わせることもあります。