「足」というと部位はどこを指すのか?
足の裏なのか、はたまた踵なのか。くるぶしなのか・指を指すのか。
中医書における「足」の範囲は足くび以下の部位を指し、上記は全て該当します。
足首以下には片足28個の骨、19個の大きな筋肉、100個以上の靭帯など多くの組織が存在しています。現代医学的には、この複雑な構造にズレが生じることで痛みが生じることが多いとされ、足関節捻挫・足底腱膜炎・足根管症候群etc.といった名称がついております。
当院にもこの「足の痛み」で治療に通われている方が多くいらっしゃいます。
以下、東洋医学における「足の痛み」の原因を解説いたします。
大きく分けて、3タイプ。「体質型」、「体質+気候型」、「気候型」になります。
●体質型
1)肝腎陰虚型(栄養+潤い不足)
骨や靭帯を構成する成分、身体の潤す成分等の不足によって足裏、踵に痛みが生じる。
・原因・・・歳を重ねていくことや、働きすぎること
・特徴・・・赤みや腫れはない・長い間立つことが難しいこと
・その他の症状・・・めまい耳鳴り・足膝の痛み・目のかすみなど
2)気血両虚型(体力低下+栄養不足)
体力低下や栄養不足により、足裏、踵に痛みが生じる。
・原因・・・長期間病気にかかること・大病を患うこと・出血過多
・特徴・・・踵が痛むが赤くはれない・日中の活動時よりも夜の方が痛む
・その他の症状・・・精神疲労・顔色の青白さ・自然としきりに汗がでること
●体質+気候型
身体に冷えや水分過多が生じることによって生じる。冷えと余剰水分が結託することでエネルギーや栄養物質の運行障害が生じて足痛(多くは指)が生じる。
・原因・・・長時間寒い、湿気の多い地にいること
・特徴・・・歩く時足が重だるい(ひどい時には足を引きずる)
・その他の症状・・・皮膚は冷たく青白い
●気候型
気候によりエネルギー及び栄養成分の運行障害が生じて足首以下の広範囲に痛みが生じる。
・原因・・・台風などの気圧の上昇・湿気の高い環境にいること
・特徴・・・足に限らず全身の関節の痛み・腫れ、陰天時や冷えによって悪化・曲げ伸ばしがスムーズでない・下肢が重だるい
大きく3タイプに分けて説明しましたがいかがだったでしょうか?
ご自身の足の痛みの原因を理解する上での何かしらの参考になれば幸いです。
実際には3タイプの他にも、東洋医学的では多くの原因が考えられております。
お話や身体診察を通じて、皆様にあった治療を提案していきますので、ぜひお悩みの方はご相談下さいませ。
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎると左サイドバー《足首/足底》に収められています。