2013/5
《症例・男性不妊》
不妊症の原因の男女比率は実際には同じくらいだといいます。
しかし、現実に不妊治療に通うのはほとんどが女性です。
男性の場合、簡易テストで精子運動率や直進率を測るの一般的であり、精密なデーターを取ることはまれのように思います。
ひとつに運動率を上げるお薬がないことが挙げられるでしょう。
データーを取っても、その後の治療の手がないと、データーを取る意味が薄いということです。
また、運動率が低くても人工や体外などの治療ならば、質の良いものを選び出せばこと足りるということもあります。
41歳、お料理関係のお仕事、男性(もちろんですが・・・)
主訴:自然妊娠をご希望
治療開始時の精子運動率11%
一般論では運動率は腎の趨勢および肝の疏泄が大いに関わります。
それに食生活ですね。
最近は人工的化学物質やパソコンをする時間の長さが性欲や運動率と関わるというデーターも出てきています。
この患者さんのケースでは食生活、腎精不足が絡んでいました。
食生活の指示も良く守って頂き、低炭素の食事に変えて頂きました。
その結果、ヘモグロビンA1c7の前半から5の後半まで落ちました。
しかし、3か月後の運動率は7%に落ちています。
腎精不足が相当に強いので、当然の結果ではありますが・・・
ただ、この患者さんはありがたいことにもう少し細かな検査を受けてくれています。
それを見ると良好精子率は格段に挙がっていました。
●解釈としては全体の精子数は落ちていましたが、レベルの高い精子は増えたと考えられます。
これだと自然妊娠は難しい(ごめんなさい)ですが、人工だと確率が高くなると考えて良いと思います。
全体数を維持するために性行為を大事にしながら(性行為のあるほうが運動率は落ちません)、人工に挑戦されるという方向は見えてきました。
※新着記事を過ぎてもと左サイドバー《不妊症の症例と雑記》の収められています。