2020/1
陰部神経痛は肛門診において陰部神経痛の腫脹を以て確定診断とする。
その病理は、お伝統医学的に見て患部病理においては血オ〜血オ熱化が主体となる。
熱のレベルに勢いがあると自発痛、放散痛が現れる。このおりの放散痛を上焦ベクトルを描く。
ただこの血オはロキソニン、リリカなどの鎮痛剤が効きにくいという特徴が現れる。
炭酸マグネシウム剤などで便秘を改善したほうが楽だという方がいる。これは便秘で直腸内が常日頃から拡張されていることが痛みの増悪因子になる可能性を示唆する。
また抗うつ剤が効くという人も多数いる。特段うつ病傾向があるというわけではなく、痛みの閾値を下げるということではないだろうか?あるいは陰部神経と交感神経の連絡性のなせる業かもしれない。
患部の血オの成因は種々あるが、よく見るケースは腎陰の不足から腸内の液体成分が枯渇し、熱が生じ、その熱により陰部神経の腫脹を表すケースである。そこになかなか診断名がつかない苛立ちや、夜中の痛みなどが加わり、さらに状態を悪くする。
また、増悪因子としてほとんどの方が物理的圧迫を挙げる。長時間の座でも生活、固い椅子などで増悪する。また、椅子と肛門部(骨盤部)の角度も重要である。よってこの辺りでの日常的工夫を考えてもらいたい。
治療は患部(肛門部付近)の鍼が良く効くのだが、羞恥心の強い場所であるのであえて避けながら、腹部、仙骨部および臀部、手足の経穴を用いてゆく。
一筋縄でいかない疾患であるが、徐々に痛みのレベルは低くなってゆくことが多い。
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