2020/12
9年前の症例です。
当時はこんな程度のことでも悩んでいたのです。
極めて診断が難しい症例でした。
主訴は急性の右下腹部痛。
針で刺されたような激痛です。
その回りに放散痛があり、上下背中に走ります。
ガスが出ると少しだけ楽になります。
ここまでなら学生でもわかります。
血オ気滞です。
ただ・・・・
脈は虚弱でやや細数。
体をくの字にすると、すこしだけ軽減・・・
押してみても拒按はありません。
通常なら腎虚血オか気虚血オなどの虚実挟雑と考えますが、
。。。。。少し違うような。。。。。
現実に、虚実挟雑型の急性腹痛処理の治療がほとんど無効・・・
師匠が昔。。。
「ひとつの否定は10の肯定より重い」と。。。。
答えは(卵巣か大腸の)陰虚です。
陰虚の顔のひとつは津液が消耗し硬くなること。
そこに何かが通過すると、無理に伸ばされたり、
擦れて一過性の血オ様症状をあらわします。
ここまでくると大腸の陰虚(津液不足)です。
ひたすら足の裏を揉みます。
10分、20分、痛みが徐々に引いてきました。
「よし」ー治りました
原因となる病理と目下の病理を仕分けすることが大事だ、という教訓を頂きました。
ありがとうございました。