2017/10 8年ぶりに来院した患者さん。 前回は腰痛。今回は腱鞘炎らしき症状。 71歳、女性、家庭主婦。 主訴 右手中指付け根から手掌中央部かけて痛み出す。病歴は約3ヶ月くらい。 症状 右手の中指付け根の中央部が著明な圧痛、拒按。中指を反らすと痛みは増悪。 使わない状態ではわずかに痛む程度。数日間安静を保つとかなりな痛みは軽減する。 考察 専門的なところは割愛するが、他の症状から腎陰虚が読み取れる。 腎陰虚になると体全体、部分を問わず、保湿力が著しく減少する。 皮膚の潤いが低下するだけではなく、実に筋肉からも水分が抜けるようになる。 伸び縮みの悪い筋に変質しまう、と考えれば分かりやすい。 特に腎陰虚は更年期前後のホルモン失調、E 2 減少時からから増悪しやすく、 さらに家庭主婦のように部分、たとえば手首のみ酷使するなどの傾向があれば、 変質した筋に負荷をかけることになるので、容易に腱鞘炎様の痛みを起こすことになる。 治療 陰液を補うツボを刺した後に患部の鍼。固物通しの要領で、硬い部分に届いたら小さく小さく捻鍼を繰り返す。 鍼先に柔らかさを感じてきたら終了。 痛み軽減、なかゆを反っても痛みはかなり消失。 腱鞘炎は1、2回で治ることはないが、これを繰り返せば、確実に快方にも買うだろう。 手首あたりの骨の変形があれば手こずることもあるが、今回はそれは少なそうなのでかなり早い時期に痛みは無くなると思う。