経色が淡い(経色浅淡)

●望ましい経血の色とは?

月経の血色を「経色」という。正常の経血は紅色が望ましいとされている。

最初は薄い色で中間で深みを増し、最後にまた淡紅色なるものが望ましい。色が淡いまた反対に濃くなることは身体の異常所見とされ、身体の状態を考える中でも重要な情報となる。

 

●経色が薄くなるということ

紅色が薄くなるということは、現代医学の言葉を借りると「子宮内の血液量(血球成分)が少ないこと」が挙げられる。それは、出産・外傷など失血による血液不足・飲食物から生成することが出来ないことによる「量」の不足、体内では十分生成されているが子宮までの供給ルートに何らかの阻害因子が存在するなど「供給」の問題が挙げられる。また血液を構成する水液物質の割合が過剰となる場合も経色が薄くなるのではないかと考えている。

今回は以下、中医書に記載されている4パターンについての解説を行っていきたい。

 

@血虚月経浅淡(血液不足タイプ)

血液成分の不足のために生じる。出産過多・出血過多などの失血により身体に保有する血液が少ないことが原因となる。子宮内・子宮へと供給する血液が不足し、血液成分(赤みのある)が少ないため経色の赤みが薄いといった状況が生じる。

(特徴)月経期間は延長し、経量も少ない(子宮内の血液が少ないため)

(身体症状)シクシクしたお腹の痛み・顔色は彩ない・頭の揺れ・眩暈・動悸・不眠など


A気虚月経浅淡(血液生成不足タイプ)

@と同様に血液成分の不足により生じるが、違いとして飲食物から「血液成分が生み出せない」ことに由来する。主には消化器(脾)の機能低下に由来する。飲食物から血液成分が必要量生成できないために、子宮への供給量が不足することにより生じる。身体症状としても消化器の虚弱症状が見られる。

(特徴)経血はサラサラした性状である・周期は早まり量は多い・不正出血が生じることもある

(身体症状)顔色は白い・全身倦怠感・何もしなくても汗がでるなど


B脾腎陽虚(冷えタイプ)

冷えによる子宮の活動低下・余剰水液の生成により生じる。冷えは長患いや長時間の下痢症状により生じる。余剰水分は水液物質の消化・吸収機能の低下および排出機能の低下により生じる。余剰水分が子宮へ注がれ、血液構成の比重が高まることで、経色が薄まりが見られる。

(特徴)経血の性状はサラサラしている・血塊を伴うことも

(身体症状)手足の冷え・顔は青白い・お腹は冷えて痛む・下痢・膝腰が重だるいなど


C痰湿下焦(水液ベタベタタイプ)

余剰水分が子宮への血液供給ルートを阻害し、子宮へと注がれる血が少なくなることにより生じる。体内に存在する余剰水分は飲食の不摂生などによる消化器の消化・吸収機能の低下から生じる。

(特徴)ネバネバとした性状となる・おりものもネバネバしている

(身体症状)胸やお腹の張り・時折吐き気・痰や唾が多く出る・顔色は黄色いなど

 

スタッフ 杉本

 

◎参考文献

「中医症状鑑別診断学」 人民衛生出版社

「漢方用語大辞典」燎原

「問診のすすめ」 東洋学術出版社

「中医基本用語辞典」 東洋学術出版社

「中医病因病機学」東洋学術出版社