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症状解説ブログがしばらく続いてましたが、たまには日常のことを。

どうやら明日からあんまマッサージ指圧師・明後日にははり師・灸師の国家試験らしい。

この試験は現代医学・東洋医学を中心とした13科目から構成され、総得点150点中の90点以上の得点で合格、つまり60%の得点で合格となります。

例年5000人弱の受験者がいて、例年6〜8割の合格率。1年間で3〜4000人の鍼灸師が輩出されている。

もちろん私もこの試験をパスして、あはき師となったわけであるが当日何を大切にして受験したのであろう。受験生がこのブログを読んでいるかわからないが、何かの参考になればと思い当時を思いだしながら書いてみたいと思う。

①わかる問題は確実に・わからない問題には執着しない

上記のとおり、150点満点中・90点での合格の試験である。

つまり150点満点でも90点でも結果は一緒の「合格」なのである。

自分としては「60点も間違えることができるなぁ」という心持ちであった。

わからない問題が数問続く状況が続くと頭が真っ白になることがある。

するとわかる問題も取りこぼすことがあるがこれが非常にもったいない。

わからない問題は基本的みな分からないし、4択であるためなんとなくで正解の可能性もある。

そして、わからない問題に時間を費やすことほどもったいないことはない。

焦らずにわかる問題を確実に・わからない問題は執着しないようにしてもらいたい。

②マークミスに注意する

個人的には一番大事だと考える。知識として知っていたとしても結果として不正解となってしまうのである。マークミスほど悲しいものはない。

詰めが甘い自分の性格を理解していたため、ここだけ注意して試験に挑んだと記憶している。

マークミスが発生するケースとしてはわからない問題にはマークせずに空欄で飛ばし次のわかる問題にマークした場合に生じるかと思う。

(例:問19・20は空欄でとばす、問21で4にマークしたつもりが問20の欄に4をマークしていたなど)

私は試験中に5回以上マークミスがないか見直しするように注意した。

そこまでは必要はないかと思うが、マークミスによる不合格ほど悲しいことはないかと思うので注意していただきたい。

③ベストコンディションで挑めるように努める

「1点でも上積みができるように」と夜中まで勉学に励むように努める人もいるだろう。

その意気込みは素晴らしいと思うが、試験は2日間・終日にわたる長丁場である。

夜中睡眠時間を削って勉強するより、しっかり眠って頭がクリアな状態で臨んだほうがいいと思う。

試験直前に見ていた問題が本番に出た!というケースももちろんあるが、勉学は積み重ねであると思う。今までの数か月間勉強してきた習慣のほうが大切であるため今日はゆっくり休んでもらいたい。

上記、私が試験で大切にしたことを記載させていただきました。

ただ基礎学力や性格など個々人で異なることから、各々大切にすることは違うということは理解しています。

その中でも万人に共通することとしては、国家試験は普段通りでのぞむことが何よりも大切かと。今まで努力してきた自分を信じて臨んでいただければと思います。

試験勉強は面白みがなくつらいことが多いですが、臨床は間違いなく楽しいです。

試験が終われば、臨床の世界に飛び込むことができる。自分が学びたいことを思い切り学ぶことができる。こんなに楽しいことはないと思います。

明日から始まる国家試験にのぞまれる受験生の皆さんを応援しています。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《みんなでブログ》に収められています。

確定申告にミスがあり、貴重な一日を丸々修正作業に費やしてしまった研修生の大久保です。

さて、昨日は神保町付近まで訪問治療に行ったので、以前から行きたかった本屋さんへ。

神保町は本の街で有名なので、色々と寄り道をしたかったのですが、まだまだ緊急事態宣言中。

泣く泣くお目当ての中医書が置いてある一件だけ。

結局二時間近く探しながら四冊を選び、帰りはテレビでも取り上げられる有名なカレーを食べ

たい気持ちを抑えつつ帰宅((+_+))

感染リスクを考えるとなかなか思うように行きたい所に行けませんが、こんな時だからこそ家で

じっと読書という水を与えながら花が咲く時を待とうと思う一日でした。

読書の中で皆さんにご紹介できる所がありましたら随時アップしていきます!

研修生 大久保昌哉

※新着時期を過ぎると左サイドバー《みんなでブログ》に収められています。

最近、頭顔面部の症状を主訴としてかかられる患者さんが当院では多い。

先日お見えになった患者の方・また随伴症状として訴えらえれていた「眼瞼下垂」。

上瞼が下がっていたり、開けづらくなる症状を指す。

これは東洋医学的にどのような状態を指すのか?

自分自身もどういった原因・機序でおこっているのかあやふやであったこともあるため復習もかねてにブログにて書くことにした。

●眼瞼下垂(上胞下垂)について

上まぶたが落ち、挙上することが困難あるいは開眼できなくなる状態を指す。

先天性・後天性のものがある。

先天性のものは両目に同じ症状が見られ遺伝や発育不全が原因とするものが多い。

後天性のものは片目に発症することが多く病後、創傷などを原因とする。

脳内や眼の中に発生する腫瘍が原因となるも眼瞼下垂もあるが、本症の範囲ではないためこれは除外する。以下、解説に移りたいと思う。

①中気下陥による眼瞼下垂消化器の所有するエネルギー(消化・吸収などの活動)の低下が原因となる。

食の不摂生や思慮過度が消化器にダメージを与えることがきっかけとなる。もともと体質レベルとして脾胃(消化器)が弱い人にも見られる。

消化機能の低下は、身体のエネルギー・栄養物質を吸収・運搬する力の低下を招く。

筋肉を栄養素で養うことが出来ない結果、上まぶたを挙上させておく状態をキープできないために眼瞼下垂が生じる。
(特徴)緩やかに発症する・徐々に下垂し時間経過とともに下垂は強くなる(午前中は軽いが午後や夜間は下垂する)・軽症であれば下垂は半分程度であり、重症のものは完全に下垂するなど
(身体症状)全身倦怠感・寒さを恐れる・呼吸が浅く力ない・脱肛や子宮脱など

②風邪入絡による眼瞼下垂気候などの外的環境が原因となる。

この風邪(ふうじゃ)は「よく巡る」という特徴があり、皮膚から体内に侵入しては身体の各部分に影響をもたらす。顔面部へ到達した風邪が皮膚よりさらに深部にある筋肉・血管を障害することで眼瞼下垂が生じる。

 (特徴)急速に発症する・目のかゆみを伴う・頭痛・目の脹れを伴うことがある
(身体症状)悪寒・発熱など
 

③気滞血オによる眼瞼下垂

眼瞼部に通ずるエネルギー・栄養のルートの運行障害により生じる。

頭額部・眼部に外傷や手術などの物理的な原因により運行ルートが損傷されることで眼瞼部まで巡らず眼瞼下垂となる。
(特徴)眼部・頭額部の外傷や手術などがきっかけとして発症することが多い。
(身体症状)眼部・頭額部にズキズキとした痛みが生じる。

さくら堂では本当に多種多様の疾患とそれに対する治療に携わることが出来る。

一日一日を大切にして自分の知識と経験にしていきたいです。

スタッフ 杉本

 ※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

訪問治療に伺っている庭の河津桜が咲き始め「春はもう少し」と喜んでいる研修生の大久保です。

(調べてみると河津桜は稀に12月にも咲くようですが…)

さて、杉本先生のようにシリーズ化しておりますが(笑)今回も舌で見られる症状の一つ

『舌萎(ぜつい)』についてご紹介したいと思います。

舌萎とは

 ・舌を動かす力が入らず、出し入れや回転ができない。

 ・ひどい場合は前歯の裏まで舌が届かない。

考えられる証は

<痰湿阻絡>

・顔色が白い、言語障害が出る、胃周辺がムカムカしてはる、舌が硬い感じ、苔は厚い

※舌萎とは、で「力が入らない」と言っているのに「硬い感じ」とは矛盾している気がしますね!

 イメージとしては、痰や湿によって舌に流れる気を通す管に蓋がされたと考えて頂くほうが

 いいかなと思います。蓋があるので栄養が届かず力が入らない。けれど蓋によって内部は

 詰まっている。低下したと考えられる臓器は脾、肺、腎です。

<心脾両虚>

・顔色、爪、唇が白っぽい、動悸、不眠、忘れっぽい、食欲が無い、舌は無力感、苔は薄く白い

※『医食同源』とよく言いますが、良い“食事”をしても“吸収”する器官が悪いとそれも

 万病のもとになると言うことですね。この場合も脾の機能低下から関連する心や舌に影響が

 出ています。(←五行色体表の縦の関係ですね!)

<肺熱薫灼>

・舌が乾く、痰の出ない空咳、もしくは出ても粘り気がある痰が少し出る、

 喉、口、鼻が乾く、小便黄色い、便秘ぎみ、苔は黄色い

※熱邪が肺に侵入、または治療の過程で熱邪を取り切れず残りが肺に侵入した為に身体の水分が蒸発し

 舌が萎縮してしまったと考えられます。参考文献によりますと虚証の部類に入るようなのですが、

 どう考えても実証のような… 私の翻訳ミスかもしれませんし、ここはもう少し他の文献を調べる

 余地があります。

<肝腎陰虚>

・舌は暗く、意識がハッキリせず朦朧、耳が遠い、両頬が赤い、手の震え、苔は無い

※長期間体内に熱邪が入ったり、大量の出血により肝腎の機能低下が起こります。

 肝の気の通り道にある頬や腎の通り道にある舌の両端に症状が出るのが特徴的です。

舌萎治療のポイントは※印の説明でも触れていますが『時間軸』です。慢性的な臓腑の病変が結果的に

舌に現れたのか、一気に舌に出現したのか。また、実証でも虚証でも現れる症状なので、弁証をしっかり

立てて治療に挑まなければなりません。

研修生 大久保昌哉

ソース画像を表示

「舌を診察すれば、病気がわかる」より

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

味覚の異常について記載をしてきたが、本日は「口の中が塩辛い」状況を述べたいと思う。

なかなか遭遇することなく少しマニアックになってきたかもしれないのですが、宜しければお付き合いください。

「口の中が塩辛い」状態を「口鹹」という。

定義としては「口内に塩辛い味を自覚することで、ときには塩辛い唾や涎を排出することもある状態」とされている。

味について述べると、五つの臓腑はそれぞれ「味」(酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩辛い)をつかさどっているとされている。

「塩辛い」は五臓のうち「腎」が担当しており、腎の虚損によって腎の液が昇ることで塩辛い唾やよだれが生じる。腎が虚損する原因としては過労・老化・慢性病など挙げられる。

以下、解説に移りたいと思う。


①腎陰虚(じんいんきょ)
腎が有する潤い物質の不足により生じる。潤い物質の不足により熱が生じ、この熱が上炎し腎液を煎ずることによって、口鹹が生じる。
口の中が塩辛い他、少量の塩辛いよだれがでる・口、咽の渇き・耳鳴り・膝腰が重だるい・不眠などの症状が現れる。


②腎陽虚(じんようきょ)
腎が有する陽気の不足が原因となる。陽気は腎液を腎の中に留めておく作用があるが、不足することで腎液が上部へ溢れてしまい、口鹹が生じる。

口の中が塩辛い他、全身の倦怠感・寒がり・四肢の冷え・夜間頻尿などの症状が現れる。

スタッフ杉本

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味覚の異常について書いてきたが、「甘さ」を自覚するケースもあるらしい。

中医書には「口甜(こうてん)」と記載されている。

自身の経験を振り返ってもなかなか「甘さ」を感じることはないが、糖尿病患者や風邪症状の患った人にみられることがあるらしい。

以下、解説を行ってみたいと思う。

●口甜(こうてん)とは?

口甜(こうてん)とは、口内に甘味を自覚することである。口甘という。
古典上「脾疸(ひたん)」という記載があるが、脾疸は病名である。

甘いものを食べ過ぎて消化器に熱が生じ、熱が口まで上昇することで口の中が甘くネバネバする状態を指す。つまり口甜は脾疸の症状の一つなのである。

以下、解説に移る。脾胃の損傷によるものだが、「実熱」「虚熱」の違いがある。

①脾胃熱蒸口甜(ひいねつじょう)
辛い・脂濃い・甘いもののを過食は体内に熱を生じさせる。生じた熱が上に昇ることで口甜を生じさせる。
その他、高温多湿の環境が消化器に余剰水分や熱を生じさせ飲食物のエネルギーとともに上蒸することでも発生する。

口の中が甘い・口が乾き飲み物を欲する・多食・すぐお腹がすく・唇や下にできものが生じる・大便が乾燥などの身体症状を伴う。


②脾胃気陰両虚口甜(ひいきいんりょうきょ)
老化・長期間病気を患うことで脾胃(消化器)の機能減退が生じる。潤い物質の消耗は熱を生じさせ、消化器の水分は更に消耗した結果、口甜が発生する。

 口が甘い・飲食物を欲さない・口が乾き飲み物がほしいが多くは入らない・精神疲労・腹部の張り感などの身体症状を伴う。

スタッフ 杉本

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「口酸」とはその名の通り、「口内」に「酸味(すっぱさ」を自覚することである。甚だしければ酸臭(すっぱい刺激性のにおい)もする。似たような症状で「呑酸」があるが、これとは異なる。

呑酸はすっぱい水分が胃からのど元まで持ち上がっていきて再び下がる状態を指す。

これに対し、口酸はすっぱい味を自覚するだけで水分あがってくることはない。

以下、解説になります。


①肝熱口酸(かんねつこうさん)
東洋医学上「味」は好んで五臓に入るとされている。味の一つである「酸」は五臓「肝」に入るという特性を有する。つまり、肝の臓の失調し、熱によって酸味が上蒸すること口酸の原因となる。

臓腑の失調や熱を生む原因としては、長期間による精神抑鬱や急激な感情の変化などが挙げられる。

身体症状としては、口が酸っぱい・口が苦い・胸肋部の張った痛み・怒りやすい・顔が赤い・めまい・乾燥した便が出る・黄色い小便が出るなどが見られる。

②脾虚木乗口酸(ひきょもくじょう)肝の臓が過活動状態になった(①肝熱)になったことで、消化器の機能減退が生じてしまったものをいう。「肝」は「脾(消化器)」をコントロールする関係性により成り立つ。

身体症状としては、口の中がすっぱい・げっぷ・食後のお腹の張り感・全身倦怠感・下痢などが見られる。

③宿食停滞口酸(しゅくしょくていたい)
食した飲食物を消化器が消化・吸収できないことが原因となる。
暴飲暴食や脂っこいものや甘いものの過剰摂取が消化吸収能力の低下を招く。

またもともと消化器の弱い体質の人や長期間病気を患うことで体力が低下した人にも見られる。

身体症状としては臭気を伴ったゲップが出る・飲食物を欲さない(これ以上食べれない)・お腹の張感・大便はすっきり排せつできず便臭を伴うなど。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

毎週楽しみにしていた大河ドラマが終わり、心にポッカり穴が空いてしまった研修生の大久保です。

次回作も楽しみですが、やはり戦国時代は男の浪漫ですね(笑)

さて、前回の「胖大舌」に続き、今回は「歯痕舌(しこんぜつ)」についてご紹介致します。

歯痕舌とは

 ・舌を出した時、両端に歯の痕のような凸凹ができる。

 ・痕がクッキリでる時はノコギリのような形にも見えるので「鋸痕(きょこん)」とも言われる。

考えられる証は

<気虚>

・舌の色はうすピンク、上にある苔はうっすら白い、ぼてっと大きい。

・顔色は白く疲れやすい、食後お腹が張って便が緩い。

<陽虚>

 ・舌の色は気虚より更にうすピンク、口や舌はよく湿っている、ぼてっと大きく丸い。

 ・顔色は白か青黒い、のどが渇きづらい。

 ・お腹が冷えて痛く、尿は透明。

と、ここまでは前回の「胖大舌」でもあるように津液(体内の水)の代謝異常なのはお分かり頂けると

思います。そこで、他の原因は無いかさくら堂図書館にある257枚の舌の写真と弁証が書かれている

本をお借りして歯痕舌が見られる30枚を調べると、上記以外に“脾虚”“血虚”“血オ”“肝うつ”“寒邪”“湿滞”

“陰虚”“痰熱”“湿熱”の証でも現れる事が分かり、これらに共通する「滞り」という新しい原因が見えてきました。

やはり調べる時は色々な本を色々な角度で見なければいけませんね!

また一つ引き出しが増えた休日でした(^―^)

研修生 大久保昌哉

「中医舌苔図譜」 人民衛生出版社

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

口膩(こうじ)とは口や舌がネバネバした状態で気持ちが悪い状態を指す。

この口膩も甚だしければ食事の味がわからないといった状態を招く。口の苦さ・甘さ・酸っぱさ・味覚の低下などの味覚異常を兼ねることがある。

主には「湿」つまり体内に存在する余計な水分が原因となることが多い。

余計な水分を生じる原因となるのが、気候などの外的要因や飲食由来のものが挙げられる。

湿は胃腸の活動低下を招いてしまう。つまり、体内に侵入した水分・飲食によって取り込んだ水分を体内へ吸収する力が低下することで体内の水分が余剰な状態を生じてしまう。これが上(口)にあふれることで、口や舌のネバネバ感や味覚障害を招く。

以下、解説を行う。

①寒湿困脾(かんしつこんひ)
体質レベルで消化器に冷えが見られるために体内の余剰水分は寒化する。消化器の冷えと余剰に生じた水分は消化・吸収能力の低下の失調を招き、口や舌のネバネバ感や味覚障害が生じる

湿気の多い環境や雨にさらされること・汗をかいたままの状態でいることなどの外的要因や生もの冷たいもの甘いもの・油濃いものの食べ過ぎなどの飲食由来が原因となる。身体症状としては、味覚の低下・咽が乾かない・飲食を欲さない・腹部の張り感・倦怠感・下痢などが見られる。


②湿熱中阻(しつねつちゅうそ)
消化器に熱が生じたことに加えて、体内の余剰水分が生じる。熱気をおびた余剰水分が口まで上蒸することで口・舌のネバネバ感や味覚障害が生じる。

湿気の多い環境や雨にさらされること・汗をかいたままの状態でいることなどの外的要因や生もの冷たいもの甘いもの・油濃いものの食べ過ぎなどの飲食由来が原因となる。

身体症状としては、食べても味がしない・口は乾くが飲み物は欲さない・腹部の張り感・食事量の低下・小便の色は赤いなどが見られる。

①(寒湿困脾)とは寒熱の違いがあり、比較的本症状のほうが重症である。

③痰熱阻滞(たんねつそたい)
多くの原因は消化器が虚損したことによる消化・吸収能力の低下により体内に生じた余剰水分が長期間とどまることで熱化してしまったことが挙げられる。また水液物質を循環させるエネルギーが停滞、停滞することで熱をもった結果、水液物質は上昇・ネバネバしてしまうことが口膩を生じさせる。

身体症状としては、口は乾くが飲み物は欲さない・胸部の張り感・動悸・黄色い痰が生じるが吐き出しづらい・食事量の低下などが見られる。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

口淡無味とは、味覚の減退で口の中が淡く飲食物の味のないことを言う。

 一般には食べ物の香りがなく、食欲不振をともなうものを指す。「口淡」「口不知味」という表記も見られる
古典において、「味覚は脾胃と関連がある」とされている。脾の機能は口に通じ、脾が健やかであればよく食物の味を近くすることができる。
つまり、味覚障害は脾胃の運化失調と関係があり、原因は脾の機能失調による消化吸収能力の低下(①)と余剰水分による脾胃の消化・吸収能力への阻害(②)にあるとされている。

以下、①・②についての解説を行いたいと思う。

脾胃気虚(ひいききょ)
消化器の虚損が原因となる。飲食の不摂生・激しい嘔吐や下痢・長い病気を患うことによって、胃腸が弱ってしまう。これにより食物の消化吸収や運搬能力が低下した結果、運化転輸の機能が低下したことで食欲不振や口淡が生じる。
飲食に味も臭いもしない・飲食物を欲さない・心身の倦怠感・腹部の張り感・大便がやわらかいなどの身体症状がみられる。


湿困脾胃(しっこんひい)
体内に生じた余剰水分が原因となる。湿気の強い環境に身を置く・飲食の不摂生により消化吸収機能の低下が生じるなどによって余剰水分が体内に生じる。この余剰水分が消化機能の低下を招いた結果、口の中のネバネバ感や口淡が生じる。
口の中がネバネバする・飲食物が味がしない・消化不良・食欲不振・胃のもたれ感・吐きたいけど吐けない・大便がやわらかいなど身体症状がみられる。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

「味覚の異常」について以前記事を書いたと記憶している。

そこでの記載はなかったが、中医書を目を通していると「舌不知味」という記載がみられた。

舌で飲食物を味わえないことをさすようである。しかし「味覚障害」や「木舌(舌が腫脹して木のように固くなるもの)」とは別物であるとされる。

●舌不知味の東洋医学的分類●

舌についての古典上の記載を見てみる。「心は舌をつかさどる・・・。キョウにたっては舌となす」という記載があるよう「舌は五臓の心と密接にかかわっている」ことが理解できる。

中医書の記載でも「心」の不調によるものが多く見受けられる。

①心血虚タイプ

栄養不足により心が正常に働かないことが原因。心と関連のある舌も正常に働かないことで味を感じないようになる。出産などによる失血過多などが原因で血の不足が生じる。

鑑別ポイントとしては、舌の赤味が淡いことが挙げられる。

②痰迷心キョウタイプ

体内に停滞した余剰水分が心キョウに詰まることで生じる。余剰水分は多湿な環境や身体の水液代謝機能が低下することにより出現する。

鑑別ポイントとしては、発声の際に痰がからむ・舌の苔がベッタリついていることが挙げられる。

③食中毒タイプ

毒物が「心」に作用することで生じる。関連する舌も心と同様に正常な活動を行うことができなくなるために味を感じないといったエラー症状が出現する。誤って毒性を有するものを口にすることで生じる。

鑑別ポイントとしては、はっきりとして原因が存在し(●●を口にした等)悪心・嘔吐・腹痛などの症状を伴うことが挙げられる。

舌が正常なはたらきには「心」に十分な気・血(エネルギー・栄養)が必要であることを理解していただけたら幸いである。

スタッフ 杉本

中医書には物を口にしたわけではないが、口の中に味を感じる症状が何件か記載されている。

その中でも「口の中が苦い」状態を「口苦」という。

以下、口の中が苦い状況についての東洋医学的解説を行いたいと思う。

●口苦の東洋医学的解説

 口苦とは、口中に苦味を自覚することである。中医書には「口苦」のほか「胆疸(たんたん)」という表記が見られる。

多くは、五臓六腑の「肝」「胆」に熱があることによって、「胆」のエネルギーが熱で蒸されて上昇することが原因であるとされている。(胆汁が口に上がるイメージ)


①邪在少陽口苦
気候(特に寒冷性の強いもの)が原因となる。これらが体内に侵入した結果、「胆」腑は機能失調を起こしてしまう。胆は熱で蒸され上昇し口の苦さが生じる。

そのほか、咽の渇き・頭痛・眩暈・口が苦い・悪寒と発熱が交互にみられる胸脇部が張って苦しい・吐き気を催すといった症状がみられる。

肝胆鬱熱(かんたんうつねつ)
「肝」で生じた熱が「胆」に移動したことが原因となる。抑鬱感や過剰な精神刺激は「肝」に熱を生じさせる。この熱が「胆」に移行し、熱によって胆のエネルギーが上昇(口へ向かう)し口苦が生じる。
口が苦い・咽が渇く・眩暈などは①と同様に生じる。違いとしては、起こりやすい・ため息をつく・顔や目が赤いといった症状がみられる。


スタッフ杉本

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2021/2

最近見た方のお話。

伝統医学では舌診といって舌の大きさ、色、苔の状態なども参考に病理状態を分析するのが常です。

この方の舌は中央列紋を境に片方が白い苔で覆われており、もう片方は苔がなく乾いて真っ赤な舌でした。

つまり中央を境に左右が全く違う舌です。まるで左右で別人のような感覚を抱きました。

長く臨床をやってますが、ここまではっきり分かれるケースは初めてでしょう。

主訴は「口の苦み」で真っ赤な方のみ苦みを感じます。

通常は口の苦みは熱邪で起こります。多いの肝の熱か少陽病。

肝の熱は他の症状から察することが出来ましたが、わからないことはここから

熱なら温かいものを(例えば温かい茶など)飲んだら苦みが増し、冷たいもの(例えばお水)なら熱を冷やすわけですから、苦みは減弱するでしょう。

実際はこの逆になっています。

冷たいものの方が苦みを感じます。

味覚(苦み)は冷たい方がわかりやすいという特徴でもあるのでしょうか?

たしかにはなまるうどんでぶっかけ・冷・中をお願いすると温・中より味の濃さが際立ちますが・・・・(少し違う・・・)

こういう矛盾は臨床の中ではよく出てきます。

それゆえにこの解決のため、勉強しなければなりません。

いつまで経ってもこれ良いとはならないのが臨床なのでしょう。

ありがとうございました。


※新着時期を過ぎると左サイドバー《臨床のお話》に収められています。

まだまだ寒い日が続いていますが、そろそろ花粉症の症状が出ている知人を見て「明日は我が身」と

毎年ビクビクしている研修生の大久保です。

さて、皆さんはご自分の舌がどのような形をしているか見たことはありますか?

東洋医学では舌も証を確定する重要な部位で『舌診』と呼ばれています。診るところは、大きさ・

形・色・表面に付着している苔・舌の裏などです。正常な舌であれば出した時に口の両端に余裕があり、

ピンク色で、ほどほどに苔が着いている状態なのですが、今回は大きくてぼてっとしたような舌『胖大舌

(はんだいぜつ)』についてご紹介しようと思います。

胖大舌とは

 ・舌を出した時に口の両端いっぱいまでぼてっと広がる舌で、力なく柔らかい

 ・舌の両端に歯型が着いている場合がある。(歯痕舌)

 ・色は薄いピンクで苔は薄く白い

続いて考えられる証は

<脾気虚>

 ・疲れやすく小食、お腹が張って便が緩い

 ・脾気虚証に“寒”“湿”の邪が入ると →さらに舌の色が薄くなり、吐き気、めまい、浮腫みが出る

<腎気虚>

 ・腰から下が重だるく、小便が少ない、手足の冷え

となります。イメージしやすいように言い換えますと、元気の低下で消化器系などの水を代謝する能力が

落ち、行き場を失った水が舌に溜まったという感じです。これが腎気虚では腰から下に水が溜まった為に

足腰に力が入らないと考えたらスッキリ納得頂けると思います。

舌診は簡単に身体の状態を知れる部位ですし、嘘もつけない所なので是非ご確認ください!

研修生 大久保昌哉

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