初めまして、土曜日スタッフの蔵部と申します。
抜針やお灸の際に皆様から「これってなんのツボ?」と聞かれる経穴がいくつかありま
す。このツボの名前は?なにに効くの?どんなツボなの?そんな質問にお答えできれば
とブログに書かせて頂くこととなりました。
今回はなかでもよく聞かれる関元穴についてお伝えしたいと思います。
<関元>
関元という経穴(ツボ)は熱くなるお灸などをする場所としてさくら堂でよく聞かれる
と思います。場所としてはおへそ中央から指4本分下の所、いわゆる丹田と言われる部
分に位置しています。
関元穴は元気の関所という意味を持ちます。気を補い精気を回復したり、元気の本であ
る腎を補ったり…簡単に言いますと元気を作ったり、体調の下支えを作ることが出来る、
他にもお腹の中を温めたりも出来る、そんな重要な働きを持つ経穴なのです。
では関元穴とは具体的にはどのような経穴なのでしょうか?
関元は任脈上にあり、小腸の募穴であり、任脈と足の三陰経の交会穴でもある経穴です。
なにやら難しそうに聞こえますが、これは任脈という経脈の上にあるということと、役
職(募穴・交会穴)を2つ持っている経穴であるということを表しています。(役職を
持っている経穴は重要な作用を持つ穴、要穴と呼ばれます)
現在、WHOで経穴は361穴と定められています。多くの経穴は役職を持っておらず、
複数の役職がついている珍しいものです。2つの役職のついた関元穴は重要な経穴であ
るということが分かります。今回はどんな役職を持っているかについてお話していきま
しょう。
●「小腸の募穴」とは
募穴は経気の集まるところを言います、ここでは小腸の気の集まるところという意味に
なります。位置から見ても関元穴は小腸の真上であり、小腸の症状に直接効果を出せる
経穴なのだと分かります。お腹の冷えに関元穴のお灸が効くことが納得できますね。
◎「任脈と足の三陰経の交会穴」とは
交会穴とは二つ以上の経脈が交わる経穴を指します、交わる全ての経脈にも密に関係し
ているため交会穴は全身の調整にもよく使われます。
関元穴は任脈と足の三陰経(太陰脾経、少陰腎経、厥陰肝経)の計4本の経脈の交わる
所となります。陰経の海と呼ばれる任脈・元気を蓄える腎・気血津液の原料を生み出す
脾・全身に気を巡らせる肝、この全ての経脈が交差するところに関元穴が存在している
のです。
この一穴で4本の経脈全てに作用をすることが出来るとは、なんともすごい経穴ですね。
今回はこの辺りで、次回は関元穴のある任脈についてお話しできればと思います。
どうかよろしくお願いいたします。
土曜日スタッフ 蔵部友子
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