FSHは卵胞刺激ホルモン(卵胞の成熟を促すホルモン)の別称です。性腺刺激ホルモンのひとつで、脳下垂体から分泌されます。
不妊症の際の検査では、月経3日目あたりの一番少ない時期の数字を基準値とします。検査機関により違いはありますが、通常は5〜8(以下すべて単位省略)くらいです。
FSHは一般に卵巣の成熟度、あるいはそこから出るエストロゲン(卵胞ホルモン、E2)とは、真逆の動きをします。
妊娠可能期ならエストロゲンは50〜60、少なくとも20は欲しいところです。卵巣の働きが悪い、たとえばエストロゲンが20程度でFSHの数値は10以上なら、下垂体ががんばって、何とか卵巣を立て直そうとしている表現とみて良いかと思います。まるで働きの悪い卵巣の尻を叩くかのように働く感じです。
ただこれも長くは持ちません。どれだけ尻を叩いても卵巣が無反応ならば、今度は下がってきます。エストロゲンが20程度でFSHの数値は1以下という感じの数値になります。下垂体があきらめちゃったのでしょうか。
ここまでくると自然排卵はかなり難しいと考えられます。ホルモン剤を併用するケースが大半です。鍼灸では、活血と疏肝の組み合わせで、ホルモン剤をより効かせるという視点で治療します。
時間はかかりますが、徐々にFSHの数値が正常に近くなるケースもあります。体のもつ最大限の力を引き出すためには、鍼灸治療に加え、自身の心の持ちようが大事なような感じがします。
ブログにも書きましたが、『したことへの後悔は時間が消してくれますが、しなかったことへの後悔は、時間とともに膨らみます』といいます。後悔のない選択をしてください。できるだけバックアップしたい思います。中医学の病理も同じなのですが、心の中の何かが足りないか、外部の何かの影響を受けたか、迷って動かなくなるかに集約されてゆきます