感覚に気を配る

 

 体内サイン

頭は言語の世界であり、情報の世界である。常に自分は今も昔も同じと思いたがる癖がある。一方、体は現実の世界であり、感覚の世界である。日々変化し、また衰えたりもする。言葉の世界、情報の世界に日々埋没すると、感覚の世界を疎かにする。感覚の退化するといっても過言ではない。典型が都市型住民である。逆にいえば頭を優先する人が増えれば、社会は都市型になり、情報社会になる。人々の思考で社会が作られるわけだから当然の結末であろう。そして益々自然から離れ、感覚の鈍化を招く。

 体の内から発する小さなサインは、自分を頭の世界、言語の世界、つまり「こうすれば−必ずこうなる」の社会から、感覚世界、自然の世界、たとえば「この嵐は過ぎるの待つ」の世界に引き戻してくれる。鍼灸師はこのサインを見つける仕事なのだ。嵐のときに、動き回ればどうなるかわかりますよね。 体が発する小さなサインをライフスタイルの指針のひとつに据えることで、大きな災を回避し、頭と体の折り合いをつけていきたいものです。煙草や酒で感覚を鈍らせないように。嗜好品は楽しむものですよ(笑)。