腰筋労損の養生法

 1.腰に負担をかけないようにする

@腰部の筋肉を使いすぎると、徐々に慢性の腰痛を引き起こす要因の一つになります。このようにして起きた腰痛は“機能性腰痛”とか腰背筋筋膜炎”と呼ばれていることが多いようです。?o?b?h?i???????????j?o?b?h?i???????????j?o?b?h?i???????????j

A慢性の腰痛が起きる一つの過程を具体的に説明してみると次のようになります。
 何らかの理由により腰部を損傷したとします。この時に治療するタイミングや方法が不適切であると 腰部の筋肉や靭帯など、専門用語でいう軟部組織の修復が充分に行われず、局所に持続的な無菌性の炎症が 残ってしまうことがあります。
 この場合、局部における乳酸の代謝が不充分なため、この状態で過労をしたり、体を酷使すると、腰部においての積累性(積み重ねによって起こる)筋損傷が比較的容易に起こってしまいます。?o?b?h?i???????????j?o?b?h?i???????????j?o?b?h?i???????????j


これが慢性の腰痛です、そうなる前に生活をコントロールすることが大切なのです。筋肉の損傷が起きたときは、程度によって筋肉や筋膜に水腫を見たり、ひどい時には筋繊維の変性を見たりする例も少なくありません。

 2.姿勢に気をつける意味

@長期に渡り腰を一方的にかがめて作業をしなければならない状況は注意が必要です。腰筋を持続的に伸展 させることによって生じる腰筋の損傷を起こしやすいからです。

A歯医者さんや美容師さんあるいは鍼灸師さん??を想像すると分かりやすいと思いますが、一方的に腰をかがめての作業は、片方の腰筋は緊張していて、もう一側は弛緩している。このような腰筋への負荷のアンバランスは筋の疲労を招きやすくなります。
  

 

*様々な運動、体操が考案されていますが、個人的にはその意は適度な弛緩と適度な収縮にあると思います。収縮は、10円玉を頭のてっぺんの乗せ、落とさないように歩いてみてください。弛緩はすべての関節を一日1度動かしたり、筋肉を伸ばしたりしてみてください。ジーンと暖まる感じが出れば最高です。とにかく長時間の同一姿勢だけは避けましょう。

鍼灸なら筋肉の回復力を増すため、そこに至った状況から、主たる原因を割り出し、気血を促し、増したりするツボ、あるいは内臓の機能を高めるツボを加味しながら、それ状態に適する治療をすることになります。

 3.性生活を控える(この項からかなり専門的です)

@性生活が過ぎると、陰精を消化させることが甚だしく、中医学でいう腎気も損ないます。(血液自体が持つエネルギーを消耗し、人の免疫機構にも負担をかける)


腎精の不足は骨髄を空虚にし(腎精つまり精子など血液のエネルギーと、腎臓の働きによって生成される高エネルギーの液体を外に泄らしすぎると、骨の代謝にも影響し)、 腰や膝の痛みを誘発する。

その他、腎精を傷つけて陰虚の状態が進むと、虚火上炎し(疲労性の発熱状態)陰津を灼傷(体液の蒸発を促し、電解質バランスをくずし)、それにより腎精がさらに衰え、骨はうるおうことが出来ずに、その症状が腰椎の痛み、可動域の変化として現れてくる。

*鍼灸の発達史の一面は、王様がいかに腎精を保ち、子孫繁栄に貢献するかという点で進んできたところがあります。2000年の歴史の中で数多くの腎を高めるツボが発見されました。

 4.風寒の邪に気をつける

@腰筋労損(筋疲労を主体とした慢性腰痛)の患者は、皆多かれ少なかれ腎陽虚が基本的にあります。

A風寒(冷たい風、寒い場所など)にあたることが重なると、 風邪は人体に進入し、気機を乱し収攣。(寒さや冷えに何回も何回も遇えば、そのうち体が血行障害を起こして暖まらなくなり、筋肉や血管は収縮、甚だしいときは痙攣を起こす。)このような場合は、ひきつけるような痛みが生じたりします。人によっては屈伸することが困難になったり、腰や膝の冷痛が出てきます。

*ツボには様々な効能があります。たとえば首のつけ根の少し下に大舒(だいじょ)というツボがあります。針を浅く刺せば風寒から体を守ることができます。少しだけ深めに刺せば腎の働きを増すことができます。このさじ加減が鍼灸の醍醐味といってよいでしょう。

 

腰椎椎間板ヘルニアの養生法

 1.腰をねじったり反復するような動作に気をつける

@日常生活あるいは仕事の中で、重いものを持つことやねじる動作が頻繁に行われると、その度椎間板内圧は上昇し、それが長期に渡ると、椎間板の摩耗を生じたり、 質・量の変化を起こしたりする。
(特に立位前屈姿勢や座位前屈姿勢で重いものを持つときに、椎間板内圧は急激に上昇する。)

A変化は主に線維輪に発生し、退行性の変化及び断列整などの形で現れる。線維輪の断列が成年期、壮年期など比較的若い頃に起きると骨髄核の含水量が高く、膨張する度合いも大きいことから、断裂箇所に圧力が多くかかり、骨髄核の突出を招く。

B突出した骨髄核や膨隆した線維輪は、腰部疼痛や神経根圧迫症状を呈し 、時によっては下肢の放射性疼痛を生じる。
(神経根の障害はヘルニアの生じた高位より1椎体下の椎間坑から外に出る神経に生じることが多い)

 2.“寒湿”に気をつける

@腰部への外傷史を持たない者や、腰への負荷が比較的軽い者の中に腰椎椎間板ヘルニアが多く見られる理由は、この病気の発病原因が労損なのではなく、 “寒湿”だからである。

A“寒湿”つまり湿気を帯びた冷気によって体が冷やされると、 局部の毛細血管及び筋肉は収縮を起こしてしまう。

B寒邪の性質は収引凝滞(筋肉や血管をけいれん収縮させ、気血の運行を阻滞させる)、 湿邪の性質は粘滞易阻遏陽気(病程が長引き治癒しにくい。また気の正常運行をさまたげ、脾陽を傷つけやすい)

Cこの2つの邪気が合わさって“寒湿”となると、血行の阻害されることはもっとひどくなる。

D“寒湿”により筋脈は充分な栄養を受けられなくなるのだが、これは椎間板の部位についても同じことが言える。
(椎間板ヘルニアの疼痛は神経根を圧迫することから生じるものと、“寒湿”による神経の乏血性疼痛とがある)

 3.精神的なストレスや緊張を避ける

@長期に渡る過度の精神的なストレスは体全体に影響し、筋肉の緊張をも誘発する。
A筋肉の緊張は椎間板内圧を高め、それが続くとやがて椎間板の退行性変化、あるいは 破裂部位の悪化、損傷を招き、ヘルニア(椎間板の突出)の増悪因子にさえなってしまうことがある。

 

■ 主な腰痛のまめ知識 ■

 ■脊椎すべり症

《概念》
・下位腰椎の1個あるいは数個が前方へすべり出した状態。

《症状》
・腰椎下部、仙腸間接部、臀部の鈍痛。
・明確な根症状はないが、とこに股、大腿までのピリピリしたしびれ(放散痛)、棘突起列の階段状変形。
・X線にて脊椎すべりが認められても、特に症状を訴えない人も多い。

先天性
すべり症

・椎体後部の発育不全

分離
すべり症

・上下間接突起部での断裂、亀裂により分離を生じたもの(真性すべり症)

外傷性
すべり症

・墜落や外力により椎間の分離を生じ、前方にすべる。

変性
すべり症

・椎間の分離を伴わないすべり症。第4、5腰椎椎間板に好発。中年以上の女性に多い。(仮性すべり症)
 ■変形性腰椎症

《概念》
・腰椎の退行変性、40才以上の年令に多い。

《症状》
・腰臀部痛、大腿前面痛、ときに下肢のしびれ、痛み。
・年令が進み、 60才以上になると骨棘が進行し、
 かえって症状は少なくなる。

 ■筋筋膜性腰痛

《概念》
・腰部軟部組織への負荷により生じた炎症による痛み。
 腰椎の筋、筋膜の過伸展、部分断列などに起因し、
 これらの損傷により炎症が生ずる。

《症状》
・体動時の腰脊椎、特に上体の前屈時、
 上体前屈位から立位への体動時、 自発痛(ー)、下肢症状(−)

 

 ■ 腰  痛 ■

鍼灸腰痛治療の特徴
  ●慢性疼痛の緩和
  ●
急性疼痛の除去
  ●運動制限の改善
  ●しびれの緩和

   などを目的に鍼灸治療を行います


西洋医学の分類
背、腰部の局所性疾患によるもの

 椎間板

 腰椎の構築
 
 脊椎の老化
   外傷
   
   炎症

   腫瘍
  その他

・腰椎椎間板変性・腰椎椎間板ヘルニア
・上記疾患による神経根性疼痛など
・脊椎分離、すべり症・側湾症
・腰仙移行椎など
・変形性腰椎症・骨粗鬆症など
・腰部挫傷・捻挫・圧迫骨折
・横突起骨折など
・背椎カリエス・化膿性背椎炎
・強直性背椎炎
・背椎腫瘍・脊髄腫瘍・転移性腫瘍など
・脊椎過敏症・筋筋膜性腰痛
内臓諸疾患による反射性腰痛(内臓体性反射)
 泌尿器疾患
婦人科系疾患
 消化器疾患

・尿路結石・尿路系悪性腫瘍・遊走腎など
・子宮筋腫・子宮位置異常・付属器痛など
・消化管悪性腫瘍など

全身性疾患の一症状として起こる場合



 心因性のもの

糖尿病・更年期障害・アルコール中毒
・ニコチン中毒・急性感染症
・神経症・抑ウツ状態・自律神経失調症など

 

中医鍼灸的な分類

気血
両虚

(きけつりょうきょ)
タイプ

●過労、消化能力の低下、睡眠不足などで、腰部の筋肉に行くべき気血が足りなくなるために起こる。
●胃潰瘍時のこの腰痛は少し時間がかかる。

《主な症状》
腰部鈍痛、疲労で悪化、起床時は比較的に痛みが少ない。夕方になるほど悪化する。

気滞
血お
(きたいけつお)
タイプ

●日頃から運動不足や精神的ストレスで筋肉が硬くなっている人が、ちょっとした動作や、 物を持ったことをきっかけにして起こる急性腰痛、慢性化して発作を繰り返す人も多い。
●背後に椎間板ヘルニアや分離すべり症をもつ人もかなりいる。また俗に言う内臓関連痛もこのタイプに多い。子宮筋腫などに多い。

《主な症状》
ズッキとした痛み、鍼で刺されるような痛み、痛む場所が同じ、押すとはっきりした圧痛がある。

腎精
不足
(じんせいふそく)
タイプ

●加齢、極度の過労、心労はどから腎精(気血を生む根元的なもの)が消耗して起こる。
●骨の変形を伴う人に多い。
●おおむね冷え性の人とほてり症の人に別れる。
《主な症状》
腰や膝がおもだるくてしょうがない、かかとが痛むこともある、耳鳴りやめまいを伴いやすい。眠りは浅く、軽い物忘れもある。

寒湿
(かんしつ)
タイプ

●冷たい空気に当たったり、雨に濡れたり、冷えたところでの労働をきっかけに起こる腰痛。
●痛みは激しいが治りやすい。神経痛を伴うことも少なくない。
《主な症状》
体勢を変えることが容易ではない、腰が抜けるように重い足腰が冷える、 温めると少しは痛みがとれる。

血お
化熱

●腰にかかる急な圧力のために起こる急性腰痛。いわゆるギックリ腰にこのタイプの人が多い。
《主な症状》
とにかく動くと激痛が走る。じっとしていると少しラク。患部に熱を持つ、夜中に激しくうずく。

少し専門的になりました

実際の臨床ではもっと細かく分類します。
あるいは混合型の人も多くいます。
あなたの腰痛はどのタイプにはいるでしょうか?