感受性

2018/1 子宮内膜が中々厚くならない方がいる。 LHやPRTはそこそこある、或いはかなりホルモン剤を投与しているが、子宮が反応してくれない感じの人を指している。 このような状態を一般に感受性が悪いという言い方をする。 これには原因として、ひとつに子宮、大きくとって骨盤内の血流不足や抗酸化能力の低下などが挙げられるだろう。 血流や抗酸化力低下なら鍼灸でいかようにでもなる。 掻爬歴も感受性の悪さの要因になることもある。 絨毛組織などを残さないように、かなり深くえぐると、その部位のみ厚くならなかったり、硬化しやすくなり、刺激ホルモンに反応しにくい組織が出来上がる。 ただ、これだと掻爬後に熱が出たりしないのでミリットもある。しかし妊娠の観点からならマイナスはかなり大きい。 最近は掻爬を吸引に変える病院も増えてきているという。 今後、妊娠を考えるなら、この視点も頭の隅に置いて欲しい。

不妊の方の共通項ーうちもも

2017/10

不妊症の患者さん多く見ていますとある共通項があります。

別にBBTや月経に関わる症状ではないのですが・・・ね。

 

8割強の方々が《身体が固い》。

とくに大腿内側、つまり内ももが固い。

だから・・・

開脚が苦手。

座った状態での開脚+前屈はとくに苦手、見る影もない。

額が地面に着くなど、秀吉ではないが夢のまた夢。

知人の中にも不妊で悩む子は少なくありません。

この辺を改善しただけで妊娠した子もいます。

やって損になることはないので試してみてください。

 

 

 

 

 

 

血の方が増えている

2017/8

最近に不妊症の患者さんを診ていると、一つの特徴にたどり着きます。

それは血の方が増えているということ。

伝統医学で胞宮血と判定するときには経血色・質、茶オリの程度、生理痛の程度、

あるいは腺筋症、卵巣嚢腫などの病歴、

あるいはBBT曲線などから総合判断します。

これに加え不育症で着床後の血栓などもこの範疇です。

血には活血化という治療が必要です。

活血化の治療は不妊治療では禁忌として扱われることが多いのが現状です。

しかし、これをしないと実に妊娠率を上げるとことは適いません。

この矛盾をどうするか?

 

解決策はココ↓↓↓

血は2次病理であるということ。

血の原因となる1次病理をしっかりと見極めることで解決します。

腎虚血、湿熱血、血虚血、肝鬱血などが代表的です。

1次病理を叩きながら、2次病理である血に対応することでこの問題は解決するのです。

 

 

 

 

 

 

巨大筋腫

筋腫が10pを優に超える患者さん。

腹診でも触知できます。

本来ならオペの領域ですが、年齢が50歳を超えているので、閉経までは持たせたい(この状態を維持する)ということで治療を受けることにしました。

筋腫は腹部鍼が良く効きます。

腹診で患部硬結の対側や臍部に表れる第2硬結を潰してゆきます。

5分ほどで患部硬結がなくなりました。

後は中医弁証に従い活血化。

翌日、生理終了4日目に関わらず、まるで生理が再開したような出血が始まります。

筋腫の治療でこのようなことはむしろ良い兆候。

次回の病院での検査ではかなり縮小した数値が期待できるでしょう。

 

 ■ 婦人科 ■ 治療 感想 考え方など

 

 〇仕事や家庭あるいは長期にわたる不妊治療で心身ともにオーバーワークになり、疲れ果て来院なさる人も多くおられます。

 

 〇人に顔かたちの違いがあるように、子宮にも個性があります。男女の生命力が出会い、人を育てる、とても躍動的な場所なのです。

 〇東洋医学では、腎を始めたとした五臓六腑が、少しつづ力を出し合い、子宮の躍動を助けます。そこで五臓六腑の状態は影に日向に子宮の躍動力に影響を与えます。  

 日々の臨床で感じたことを書いています、ほぼ毎日更新していまので、是非お読み下さい

                        次項有次項有次項有logo_eco_b.gif《塾長ブログ》

 

 治療の中で感じたこと、その治療における東洋医学的理論など書き綴ります。

 



良かったねと言いたいから知らせてね

2016/4

半年強ぶりの患者さん。

妊娠24週目に入ったそうだ。

心配してたから『知らせてね』と、言いたいところだが・・・

まぁ、良かったです。

今日も移植日から逆算したHCG値からみて、明らかに妊娠反応が出ている。良かった。

ただ、それより猫が嘔吐して、それが気になっている様子。

この方食事も喉を通らないようだ。

猫もすでに回復傾向、部屋中動き回っている様子。

はい、自分の体に留意するよう、心を切り替えましょうね。

 

 

 

 

 

このような方も居られんですね?

2016/3

昨日に妊娠反応が出た患者さんは44歳。不育症レベルが高く、4回目の妊娠反応です。胎嚢確認はありましたが、HCGが少し低め。ここからは陽気を増やしながら、活血するという方法に切り替えます。難しい治療になりますが、やるだけやります。

ただし、このご婦人、4回のうち3回は体外受精ではなく、自然妊娠。ご結婚が40歳だったので、年齢を加味してでしょうか最初不妊外来に通院しておられます。

自然のほうが妊娠しやすいともいえるケースにも見えるのですが・・・ここは口を出すところではありませんので・・・・。

このようなケースは過去に何度もありました。理由がよくわかりませんが、体外受精を繰り返す患者さんのうち、不育症を併せ持つ方に、自然妊娠をする方が多いように思います。

私たちが未だ知らない自然の摂理の法則のようなものでもあるのでしょうか?

あるいは年齢因子以外に体外の必要がないのか?

わかりません。

毎日わからないことに遭遇している気がします。

治療とは深いものです。

自然とはわからないものです。

 

 

 

 

 

 

 

前置胎盤

2016/2

この患者さんは、当院で初めて妊娠され、一度めは残念ながら流産、

数か月後に2度目の妊娠、何とか20周近くまで来ました。

しかし、前置胎盤・・・・

 

この週数だと胎盤がまだまだ伸びるため、低位胎盤といったほうが正確でしょう。

血オもありますが、胎児のことを考えると、まずは子宮内の衛気を増やし、子宮を伸びやすい状態にするのがベストという判断をしました。

安静は必要ですが、お仕事をしている関係で、そうそう安静というわけにもいきません。

腹圧を過度にかけることだけ注意して頂きます。

頑張りましょう。

 

 

 

産後腱鞘炎になる方が急増中

2015/12

産後半年以内に再診する方の疾患を調べてみました。

多い疾患は疲労症候群、腰痛、乳汁不全などでしたが、最も多いのは腱鞘炎でした。

主婦としての力仕事が激減した昨今、

また仕事などの業務でも担ぐ、持つなどの形態はほとんどないものと察します。

ということは育児で初めてのこのような所作と遭遇するといえなくもありません。

『日常使っていなかった上肢の筋肉の使い方や、手首自体への直接の負荷に対して抗しきれなくなる』

これが腱鞘炎多発の原因だと考えています。

数回の治療で良好になりますが、元よりの強さに欠けるため、再発しやすいという特徴があります。

体の使い方を学習する必要があります。

全体の筋肉を使いながら、部分への負荷を軽減させるのがそれ、

古武道における体の動かし方に似ていますね。

 

 

 

 

産後の視力低下

2015/11

45歳、第2子出産後の眼精疲労、視力低下。

40歳のおりから見ている患者さんです。

第1子は42歳。そして今回45歳で第2子を出産。

お産自体は4時間ほどの超安産。

その後の眼に症状が現れます。

高齢出産に加え、おひとりで2人の子を見る心労および肉体疲労で疲れ切っている様子。

脈状からの判断でも気血ともに消耗。

ヘロヘロ・・・状態。

ご自身の睡眠もままならないでしょう。

体内で血の消耗の激しい器官のひとつは眼。

気血の消耗が激しいので眼を養うことができません。

そこで早急の気血の回復を図ります。

お灸を多用。

それにしても連れてきて隣のベッドに寝かせた赤ちゃん。

かわいいですね。

むちゃくちゃ。

2頭身だからかわいい・・・ドラえもん理論???

違います。

無垢だからかわいいのです。

 

 

 

微妙な数字

2015/11

今日の妊娠判定日の患者さんはちょっと微妙な数字

HCG44・・・・微妙だ。

体、子宮の状態もまぁまぁで、血オを大分改善されていたので期待したが・・・

早急に気を子宮に持ってゆき、

腎気を強化する。

大胆、細心に行う。

ここでは神門の使い方がポイントになる。

後は深呼吸を数十回行い、神様とコウノトリにお願いする。

 

 

 

 

早めのつわり

2015/11

このケースは早めのつわり。

8週目です。

出るとしたら着床時反応の続きでしょうが・・・・

症状的には明らかな食べづわりです。

子宮の活動期で、

子宮から出る熱が大腸に届き、

大腸中の津液を乾かします。

そこで初めての便秘。

踏ん張ると胎児が下りて、流産してしまうかも?という心配で力まない。

便秘悪化気持ち悪いつわり悪化という機序です。

軽く大腸の熱をさばきながら、陰液を増す治療をします。

強い熱取りは子宮の活動を低下させかねませんので、注意深く進めます。

 

 

生理中に体温上昇

このケースは滅多にありません。

ホルモンの乱れといってしまえばそうなのですが・・・

生理2日目から数日体温が上がります。

まるで生理中に排卵しているように見えます。

そうならば一方で黄体ホルモンが生成され、その一方で黄体ホルモンが萎縮し子宮内膜が剥がれる・・・

考えられないこともないですが、通常はなかなか見られません。

伝統医学的には肝をベースに考えれば解釈は成り立ちます。

それに、このケースでは痰熱をどう解釈するかです。

年々難しい方が増えます(笑)

頑張ります。

幸い先週から今週にかけてお二人妊娠して下さいました。

ありがたい話しです。

 

でもやりがいはあります手(チョキ)

 

 

低温期の乱高下

この間不思議なBBT(基礎体温表)を見ました。

低温期が+−0、2℃ぐらいは良くあるのですが、このケースでは+−0、4℃あります。

体温を計る時間も一定しておられます。

高温期になったという意味ではありません。

排卵前の話しです。

伝統医学的には腎虚が多いといってしまえばそれまでですが、

何か腑に落ちません。

低温期の乱高下は、睡眠状態の乱れと関連する、という経験則がありましたから、その辺を尋ねます。

とにかく睡眠が浅く、よく起きられるようです(途中覚醒が多い)。

2度寝、3度寝、4度寝・・・・・

体温を計る時間は一定でも・・・

眠って1時間後だったり、3時間後だったり、5時間後だったりするわけです。

日によっては起きて2時間後のときもあるでしょう。

この睡眠の不安定さは伝統医学でいう心の病症が多いのですが、

この辺も治療対象となりますね。

 

 

 

 

内膜増殖症

ときおり診る内膜増殖症。

子宮内膜が過度に増殖してしまう。

年に何回も掻把する患者さんもいる。

単純性のものはまだしも異型細胞があるものもある。

とくに更年期のそれは前癌症状の可能性が高い。

臨床例が10数例しかなく、早計なものいいはできないが、

血オの熱型が多いように思う。

陰虚による虚熱と血オの混合型や血熱血オなどが多かった。

この病理の特有の基本形はまだ掌握できていないが、少しずつ理解できるようになる。

婦人科疾患が劇的に変化(悪化)する際は、大概疏泄失調が絡む。

肝気鬱による疏泄失調ではあるが、精神的重圧や我慢などだけではなく、

虚労的な要素から肝気虚、肝血虚による疏泄失調も少なくない。

  ▼※☆〇◆☆◆▼

婦人科を丁寧に追うとその方の日常が見えてくる。

胞宮(子宮)に優しい日常を望みたいが、

現代はそれを許してくれる環境にない。

偏見ではなく、男性以上に、体を犠牲にして社会に伍するように女性の体はできてはいない。

現実の社会に則して生きるなら、相当の知恵と工夫が必要だろう。

 

☆ゆっくり前を向きましょう☆

 

 

 

結びの5〜6月

2015/6

毎年のことだが、春から梅雨前までは妊娠する方が多い。

自然妊娠なら平均化するのだろうから、不妊治療も季節を問わずトライする。

凍結卵さえあれば、体外を年に5,6回トライする人もいる。

鍼灸治療の場合、オン・オフを意識してもらう。

タイミング、人工ならともかく、体外なら体を作るときしっかりと作り、良い状態でトライしてもらうと妊娠確率が上りやすい。

体をつくるときは子宮の陰陽を調和する。

具体的にはその人の子宮の寒熱虚実の偏りを平らにする。

腎の封蔵や気化、脾の固摂と運化、腎陰・腎陽の充実、肝血と疏泄。

それに最大の関門、子宮自体の血オ。

しっかりと月経の状態やBBTを見ながら作ってゆく。

そのトライの時期が、陽気が亢じやすく、陰気もそれなりにある春季ということなのだろう。

 

 

 

 

 

早発閉経

2015/5

最近ちらほらと早発閉経の方が増えている。

正確にはゴナドドロピン異常による卵巣機能不全の方が増えている。

卵がなくなるのではなく、中枢系のトラブルで、卵巣が上手く働かないケースである。

 

不妊治療の経過でなる方も少なくない。

E2が低かったり、FSHが40を超えたり、PTHが低かったり、T3・T4が低かったりと様々である。

リウマチが関与することもあるらしい。

肝腎陰虚を基軸に考えることが多い。

ひとつひとつの絡まった糸を解す。時間はかかるが確実にである。

 

 

★塾長のブログより★

 

なるか三度目の正直

2014/12

この症例は、タイトルにあるように当院で三回目の妊娠確認です。

 

初診時から2年近く経ちました。

 

それまでの数年間は婦人外来に通うも妊娠歴はありません。

 

昨年の始め、今年の初め、そして今回と繋がります。

 

不育症を疑い、杉先生のところにも行って頂きましたが、不育症の兆候は見られないというご判断。

 

今回、心拍確認ができ、産科を探しておくようにという指示を取り付けたところまで来ました。

 

鍼灸治療的には、以前の2回と違うところは、化痰を加えた点にあります。専門家でも私の言っていることが理解できないと思いますが・・・・。

 

妊娠反応の後の治療で、補腎のほか、活血を微妙に加えることがあります。今回その活血に代え化痰を加えました。

 

後は42歳という年齢からくる腎精不足との兼ね合いです。

 

治療の機会を下さり、信じて付いてきてもらったことに感謝します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とか胎嚢確認まできた

40代の方の妊娠はそう珍しくもありませんが、

 

さすが40代後半の方で妊娠までたどり着く方は年間でもそうはいません。

 

今回の方は今年2回目の体外チャレンジ。

 

前回同様HCGが低い(32)・・・・

 

46歳という年齢もあり、なかなか難しい・・・・

 

その後の2度の鍼灸治療で何とか胎嚢確認までこぎ着けました。

 

この数字(判定日)からここまで来た(胎嚢確認)のは、ひとえに年齢以上に腎精が強いのだろう、と思います。

 

鍼灸治療は患者さんの持っているものをいかに引き出すかが勝負。

 

患者さんに恵まれたことに感謝します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014/12

 

最近の臨床での話し。

 

病院でリセットしましょう、という話になり、ピルの服用。

 

 

飲み終わって翌日に来院。

 

当然ながら生理は一両日中に来る。

 

尺沈部の脈に滑脈が?????

 

めったにないことである。

 

尺沈部の滑脈は、下焦の血鬱を表わすことがある。(原文:溺血経鬱或見于妊娠)

 

妊娠は考えられない。

 

ならば血が経に鬱して溺れると読めば、子宮に血が集まり過ぎているという解釈が成り立つ。

 

本来の状態ではない時に、血を子宮に集めるのがホルモン剤(このときはピル)の役目とも言えなくはない。

 

ホルモン剤には功罪がある。

 

病理的には血熱か血を生む下地を作ることもある。

 

ホルモン剤の良い部分の影響を残し、病理的な部分を排除する鍼灸治療も必要だと再認識させられた脈状であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口角流涎(こうかくりゅうてい)

2014/12

口角流涎(こうかくりゅうてい)は涎(よだれ)が湧き出て止まらないこと。

 

内経、傷寒論にすでに記載があります。

 

今回はつわりの随伴症状でした。

 

妊娠で起こる余剰の熱が脾胃、胃経に流れることで起こります(他のケースもありますが・・・・)。

 

元来から脾胃湿熱、痰湿か脾虚があると、この症状が出やすいと考えます。

 

ただ、今ケースは痰湿の強い方で、

 

日にペーパータオルを4個使うこともあるそうです。

 

豊隆や内関の使い方が鍵になりますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

HCG20〜50

体外受精の後の、妊娠確認。

HCG20〜50の間、

期待薄すだが、妊娠反応がないわけではないという見解が大半。

1週間後に再び妊娠反応を調べます・・・・・

 

 

この間の治療が難しい・・・・

 

伝統医学の立場から・・・・

 

妊娠維持するだけの腎精が不足しているのか?

子宮内の血がつよく受精卵の根付きが悪いのか?

気滞が強く受精卵の勢いがないのか?

 

それを見極めながら治療を組み立て、

さらに陽気を増す手法を加える。

 

後は、ご本人に落ち着いて頂き、天にお任せという感じになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不妊症治験(黙々淡々と通院すること10年)

黙々淡々と通院すること10年

この症例は10数年前、某雑誌社の依頼により記述したものです。個人的にはこの症例を契機に不妊症というものを深く考察するようになりました。              

 ●今症例の女性は、多重文脈的生活者に流れつつあった論者を引き戻してくれるに十分な材料を提供してくれた。彼女のこの10年間は、妊娠するために費やされたといって言い過ぎに当たらない。それほど妊娠にかける思いが強い。もちろん現代に生きる以上、様々な顔を持つわけだが、その思いの強さと比べれば付録のようなものだ。あたかも仕事に向かうかのように淡々と不妊外来に通いつめる。不妊患者さん特有の心情の乱れも感じられない。妊娠=生活全部であり、いわば思いが重いのである。自然にこちらも感化され、不妊治療を考え、積み上げ、精しくなって行く。

[初診]平成××年5月、女性、40才、主婦。

[主訴]不妊症

[経過]27才で結婚。31才に妊娠するが13週目で流産。以後人工受精(AIH)を30数回、体外受精を3回行い現在に至る。その間に子宮内膜症軽減の目的に腹腔オペを2回、開腹オペを1回行う。そのほか腹腔鏡検査の際、卵管の通過障害を改善する処置を数度試みる。

●流産したその日、体調のすぐれないご主人に不運なニュースが届く。リンパ系の悪性腫瘍と診断される。その後はインターフェロン投与で奇跡的な回復を見るが…、人生とはままならない。

 患者の言葉の端から推察すると、ご主人は自身の病気を機に「いのち」について深く感じるものがあったようである。それ以後、御夫婦の目標は遺伝子を残すことに大きくシフトして行く。これが妊娠への思いがブレない大きな理由であろう。

 涙が出そうになるも、見せたら臨床家としての立場を失う。第一,人のつらさを計る客観的指標などない。別な言い方なら、些細なことでも本人がつらいなら、我々は共感すべき立場にある。社会的指標を持ち込んではいけない。

[常用薬物]不妊外来では排卵の確保と高温期の安定を妊娠への条件のひとつに数え、相応する排卵誘発剤やホルモン剤を処方する。

 ●今症例もこの例に漏れず、人工受精時には誘発剤を用いている。比較的穏やかな作用といわれるセキソビットでは効果がなく、クロミッドを常用する。来院の前から、通常量のクロミッドでも排卵しないことも多く、倍量の処方に切り替わることも少なくない。それでもダメならHCGを注射する。自然排卵が全くないというわけでもないが、良質な卵子の形成および排卵日の特定という観点から常用すると思われる。まさに短期決戦の観を呈す。

短期決戦の長期化、この構造が不妊患者をして精神疲労に向かわせる主因となる。期待−落胆の繰り返しが続けば体より先に心が壊れる。 

 ●体外受精は胚移植(ET)が主体である。HMG-HCG療法(ゴナドトロピン療法)の後に採卵する。

[月経の状況]12才で初潮。月経日数は5〜7日。経量は2日目に多く、3日目にやや減り、5日目以後は格段に減り、薄いナプキンで事足りる。以前は経量が少なめだったが徐々に増える傾向にある。

月経開始半日〜2日目に血塊が多い。血塊の出ている間は激痛で、重感やチクチク感をともなう腹痛が続く、腰痛のだるさもあり、常時鎮痛剤を使用する。月経周期は28日の前後2日である。

月経直前に沈重感をともなう偏頭痛と右乳房の張りがある。この2症状は月経開始後2日ほど続くこともある。同時に寝汗もかく。ときに顔面紅潮がある。

[基礎体温の傾向性]低温相は月経終了から5〜7日程度ある。低温相から高温相への移行に4〜6日ほどかかる。さすがHCG注射なら一両日で上がる。感心するが恐怖もする。

 自然状態なら高温相は36.7℃を越え維持されことは少ない。黄体ホルモン(ドオルトンなど)の助けを借り何とか維持する。

[随伴症状]近年は夜間尿(1回)、足底痛、やや便通が悪い、腋下や足底に寝汗をかく。頚管粘液は減少傾向にある。

 以前は冷え、とくに下半身の冷感が強く、靴下を履き寝ており、月経中の腹冷も自覚する。

[既往症]子宮内膜症、甲状腺機能低下症、左乳房乳腺症。

[脈舌]舌質淡紅で乾燥、舌下の怒張、脈細弱、左尺脈虚。

[切診]初診日は月経5日目である。右鼠径部及び臍周囲の硬さがみられる。

[分析]まずはわかりやすいものから弁証する。患者は子宮内膜症をもつ。しかもレベル4である。血塊、刺痛を伴う月経痛、月経前半の持続的疼痛、舌下の怒張、月経5日目ですら腹部の硬さみられることなどから胞宮の血と判断する。

つぎにクロミッドの長期使用が気になる。この1年は年齢リスクを考慮してなのだろうが、ほぼ毎月使用する。しかも倍量使用のときが多い。

●クロミッドは一般に顔面紅潮感、卵巣腫大、下腹痛、吐き気、嘔吐、頻尿、尿量増加、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)のほか、3回以上の連続使用で、頸管粘液の減少や子宮内膜の薄化などの弊害をあらわしやすい。

彼女の場合は明確に頚管粘液の減少を自覚する。他に夜間尿、足底痛、便通が悪い、腋下や足底に寝汗をかくなどの症状があり、すべて近年になり出現した症状である。これを論拠に腎陰虚が顕著になってきた様を読み取ることが可能だろう。とくに頚管粘液の減少は、排出されるべき津液の減少と考えれば、2便と同様に陰虚判定の材料としての基準を満たす。胞宮との親和性なら2便より上位に置いてよい。正義ぶって誘発剤の乱用を憤るより、自分の枠内で冷静に処理したほうがよい。孔子様も『心の欲する所に従って、矩を越えず』と仰せになっておられる。

また元々に胞宮気虚があったのではなかろうか。誘発剤使用前は経量が少なく、月経中の腹冷もみられる。胞宮に特定できるわけではないが、足腰の冷えも顕著であり、気虚・陽虚がありそうである。また27才あたりに甲状腺機能低下症になる。甲状腺機能低下は体質を気虚・陽虚に傾け、かつ生殖関わるホルモンの乱れを引き起こすことは経験則として知る。以上を論拠に胞宮気虚を1証立てる。

胞宮の気は胞宮内の活動の一切を仕切る。排卵や月経など、いわば胞宮内の活動時にはとくに必要になる。そこで、元より胞宮気虚があるなら排卵する力に乏しく、いくら誘発剤のような卵胞の成熟を助けるホルモン剤を入れても、排卵力に変化はなく、その結果として誘発剤の量だけが増えるはめになる。成熟卵胞になっても排卵できない、つまり誘発剤が効きにくい体質ができあがる。また月経を考えたなら、経血の排出力が弱いため、胞宮内に血を残存させ、次第に血を形成する。気虚血である。

少しばかり事実確証は弱いが、全体像の整合性が極めてよい。

[弁証]腎陰虚 胞宮気虚血

[治法]患者は40代に入り、誘発剤を無視できる年齢にない。極力に精・陰を補い続け、腎陰虚の改善をはかる。同時に気虚血に対処する。低温相〜高温相までは十分に補気を加え、月経中は子宮の瀉性を利用しつつ十分な活血化を行う。

[配穴]

滋陰―復溜(補)、志室(補):継続的に使用(月経時は除く)

益精―地機(補)、関元(補):継続的に使用(月経時は除く)

活血―血海(瀉)、次(瀉)、合谷(補):月経時使用

補気―子宮(補):継続使用(月経を問わず使用)

[手法]

月経終了〜次回月経の直前までは滋陰、益精、補気を意識する。復溜、志室は小さな筋凝りを見つけ、それを指標に呼吸を合わせ打つ。少しずつ鍼を進め、筋膜近くの凝りで捻鍼に切り替える。地機、関元は軟弱感を指標に鍼が止まるところまでゆっくり進めて行く。子宮穴は反応が読めないツボのひとつであり、コリコリした感じがあっても鍼を進めるとスカスカになることもある。そのあたりで雀啄して、軽く響かせる。排卵前はことのほか注意深く刺す。定位的側面が強く、どんな状態に効かせるか技術次第であるからである。

 月経時は、上記の補気のほか活血主体にする。先にも記したが、この時期は、胞宮が瀉性に傾き、活血が容易になるからである。イメージとして出すべき血をすべて出し切る感じになる。血海は通常の血海よりやや内側よりの圧痛を指標に取る。筋膜の手前あたりで少し大きめに雀啄をし、胞宮に向かい響きかせる。次は圧痛あるいは硬結を探し、それを指標に打ち、大きく響かせる。上手くいけば、腹部に響きが拡散してくれる。合谷の補法は胞宮の付近の気(衛気)を増やす作用がある。この気の推動力を借りてさらに経血を押し出すようにする。呼吸の補法を行う。 

[経過]

 1〜3診:ほとんど変化なし。初診日の前日から始まったヒュメゴンの注射では、11日間連続行うも排卵に到らず。配穴を変えることも考慮したが、予想以上に生体レベルが落ちているものと判断して滋陰、益精を強化する。とはいえ配穴を増やしたわけでない。3診目にいつもより集中して呼吸+提挿+捻転の補法を行う。陰・精を意識しながら、かつ衛気を傷らないように心掛け、少しだけ深めに打つ。効かないからと、むやみに配穴を変えると墓穴を掘ることもある。今一度、精度の高い刺針を試みよう。

 4診:3診目の後、足底痛の消失、夜間尿の消失が見られた。腎虚の改善が少しはなされている。帯下の減少も起こる。元々帯下が多いという事実を初めて知る。聞き漏らしは恥ずかしいが、胞宮気虚の改善と読めなくもない。かなり都合の良い解釈ではある。

 5診:治療開始後に初めての月経を迎える。血塊の量は減少する。血Cの改善も予定通り。ただし安心はできない。ホルモン剤などは強力で、ひとつでも適正を欠くものが体内に入れば、減少した症状も瞬時に顔を出す。

 気分が良いという。見た目では何の苦もないように見えるが、本人は相当に落ち込んでいたようである。臨床家として甘さに恥じる。

 6、7診:全体に体調が良くなってきた自覚をもつ。夜間尿もなくなる。

 8〜13診:この間に内膜症の腹腔オペを受ける。レベル4―レベル2になる。依然として夜間尿のない状態が続く。オペの効果を素直に喜び、不妊外来へ通い続ける動機づけをつくる。オペへの緊張やご主人への心配があり、珍しく肝鬱頭痛があらわれる。同時に舌下の怒張が少し大きくなる。肝気鬱が直接に胞宮血を強めたものと考える。この場合、ご主人に何かしてあげられることが一番の疏肝理気になる。ご主人の症状を聞き千年灸を自宅で据えてあげるよう指示する。

 配穴は太衝、風池を加味し、血海を胞宮に向かい十分響かせるよう心掛ける。この間の人工受精は徒労に終わる。

 14〜45診:ほぼ安定した状態が継続する。ときおり夜間尿はあるが水分摂取量の調節で消失する程度で収まっている。

 指標となるホルモン値改も善されてきている。この間、4度目の体外受精にトライする。胞宮の補気を強化するため神闕の塩灸を数回試みる。神闕の塩灸で強力な陽気を作り、それを子宮穴で胞宮に流し込むつもりで行った。ホルモン状態が良いので前回のように注射でなく、内服薬だけで採卵まで進めることになる。内服薬はカルテ記載漏れでわからないがホルモン剤であろう。初めて着床までこぎ着けたが、今回も残念な結果になる。人工受精も4度失敗する。5回だったかも知れない。

 46〜50診:その後は膠着状態に入る。検査結果から卵管の詰まりが消失する。一度だけ感冒をきっかけに刺痛をともなう月経痛があらわれる。合谷を外し外関の瀉法を加え何とかしのぐ。時期も悪く人工受精はまたも失敗する。この段階では、以前ほど血に集中する必要がなくなり、月経時に行わなかった滋陰、益精を常に行うようになる。

 51〜74診:中医的には、かなり症状の改善は見られているが、妊娠にまで辿りつかない。こちらも本人もそのことを十分に自覚している。年齢も41才の半ばにさしかかる。焦りは余計なことを考える。カルテを眺めると肝血虚をいじったり、健脾したりとつまらないことに手を出す。戦略の練らない奇策は失敗する。

 患者が自ら病院を変えると告げる。唐突の感はあったが、少し前から考えていたらしい。こちらがどうこう言う筋ではないので、聞き役に徹す。新しい病院での一度目の人工受精で無事妊娠する。自分の心が助かった。

[最後に]この症例の成否はわからない。こちらの治療レベルがもっとまともであったら、早く妊娠に辿りつけたかも知れない。あるいは患者が最初から妊娠した病院に行っていれば、当院に来る必要はなかったかも知れない。神のみぞ知る答えであろう。

 ただ後悔もある。冬の一時期を除けば、最後まで寝汗が取れなかった。誘発剤に抗しきれなかったと考えると、まだやるべきことがあったと内省する。見た目以上に心労があり、心陰虚があったかと考えると、読めなかった自分が情けない。

 最初は患者の知識について行けない面もあったが、徐々に知識をつけ、精度を上げることができた。携帯族になっても本は読みたい。考える時間と問題意識を失うならば、そのしっぺ返しは確実に治療家の力量に反映してくる。

第2子不妊

2013/9

最近第2子不妊の方が増えている。

古典的(昔の文献)には、腎精不足が関与していると言われるが、現在は状況が変わってきたいるようだ。

婦人科を考える際、経・帯・胎・産が大事である。

は月経の状態。

は帯下とくに頸管粘液。

は妊娠中。

は出産や産後。

 

〇第1子不妊は月・帯について考察する。大なり小なり血オが絡んでいることが多い。

〇第2子不妊はこれに加え、胎・産を考えなければならない。

第2子不妊になりやすいケースを挙げる。

※妊娠中:流産しかかった方、早産の方、妊娠鬱を経験した方

※出産:難産の方(現在、難産の方は途中で帝王切開に切り替えるので昔より少ない)

※産後::産後鬱の方、母乳の出の悪い方、授乳期が長い方、職場復帰が早い方

概ね虚証(気・血・精が足りない)の方に多いのが特徴です。

チョコレート嚢胞

2013/6

チョコレート嚢胞は卵巣に残留血など不要な液体の入ったブヨブヨとした袋が出来ること。内膜症のひとつです。軽度であれば妊娠に問題はありません。時間、大きさなどの諸因子により、炎症、癒着、硬化の三要素が妊娠を阻害します。

炎症で問題点はふたつ。ひとつは卵子を採卵できないこと。もうひとつは常時炎症状態が続くとマクロファージが精子をやっつけてしまうことです。

癒着では卵管の癒着から卵子の通過障害という流れが問題です。

硬化は卵巣表面の膜が硬くなり、排卵に至らない。つまり卵胞が卵巣の表層の膜を突き破れないことがあります。

一般に定量ピルで疑似閉経状態を作るか、オペをするかの選択があります。しかし子宮活動期(閉経まで)増殖を繰り返す性質がありますので、一定期間が経つと再発します。

鍼灸の場合、骨盤内の血流を促し、進行を止めることは可能です。オペ後の状態を維持することも選択肢としてあります。抗炎症、抗硬化の働きもあります。強度の癒着には一端オペなどで体を戻した後で、十分な気血を補うという方法が良いと思います。

個人的には中医弁証の則り、子宮力を高めるようにしながら、スポットを炎症か癒着か硬化かに当て治療します。さらに妊娠率を高めるように精進します。

羊水減少

2013/6

羊水減少は比較的年齢の高い方の妊娠では良くみられる現象です。

ある高名な漢方家の方との対談で、雑談中に面白い話を聞きました。

詳細は省きますが、この先生はの意識は母体ではなく、胎児に向いています。

自分には全くない視点だったので驚愕しました。

羊水の材料は知っての通り嘔吐や尿などです。つまり胎児の排泄物です。これがないと圧力の関係で肺などの脆弱な臓器を傷めます。

この先生はある生薬で胎児の利尿を高めるそうです。もちろん弁証の枠内で母体を診ることも忘れません。

この発想というか視点は研究の余地が大いにあります。それを鍼灸でどう表現するか。

また、新しい課題が増えました。なかなか辞められませんね。

子宮年齢と実年齢は違う

21013/4

今年に入り3月末の時点で12名の妊娠が確認されました。

40代の方も3名おり、35歳より上の方々は11名です。

昨年から40代の方々の妊娠〜出産に関わる中で意を強くしたことがこの「実年齢と子宮年齢は違う」ということです。

患者さんの8割方の人は体外受精の段階で、タイミング療法から数えると3〜7年くらい経過しています。

その間、誘発剤類、リセットに用いるピル類、あるいは混合ホルモン系、刺激ホルモン系などの投与が常時あり、 子宮自体に過剰負担がかかっています。


素問の挙痛論だったと思いますが(違ったらごめんなさい)、『労すれば気消耗す』という下りがあります。


労は労働ではなく、真面目、一生懸命などという解釈です。


つまり一生懸命も過ぎれば気が減りますよ、という意味。


一生懸命不妊外来へ通い、一生懸命子宮に刺激を与え、心ならずも子宮を一時的に過労状態にさせていると思われるケースもあります。


数字的にはGOサインなのに、何といいますか、子宮の生命力のようなものが足りず妊娠に至らないケースがあると感じます。

さらに長期化の中でストレス、恐れ、不安などの心理が増大して、投薬の効果すら弱まってきます。

生命を根付かせ、、育くむ器官の持つ奧(心底)にある力のようなものを引き上げることが肝要なように感じます。


実年齢に焦りを感じる気持ちは重重理解します。


しかし、子宮の年齢も大事であるという認識に立ち返ることも必要です。

妊娠を意識しなかったときの楽しさを思い出してみませんか?

まずは、子宮の側から一旦考えてみてはいかがでしょうか?

子宮を過労から守るという視点は是非に考えるべきでしょう。

(自身のアメブロより転記)

 

内膜症の3パターン

2012/11

子宮内膜症は不妊症の原因疾患のひとつです。異常内膜組織がどこにあるかでちょっとずつ症状に違いが出ますね。腹膜、卵巣、ダグラス窩に大きく分けます。

腹膜型は生理痛がチクチク針で刺されたかのような感じになります。

卵巣型はいわゆるチョコレート嚢腫ですが、かなり激しい痛みです。絞られるような感じという方が多いようです。サイトカイン(炎症物質)が多くなりますので風邪を引いたように悪寒や関節痛をあらわすこともあります。

ダグラス窩型は肛門痛が特徴です。肛門の奥のかなり痛みがあります。

まず、確定診断が必要です。

治療は一時生理を止めて内膜様物質を縮小させます。

昔はリュウプリンで元から生理を止めましたが、副作用が強く、更年期様症状があらわれる方もいます。これで自律神経失調症になり、治療した経験が何度かあります。

最近は低量ピルで生理をコントロールするのが主流です。

必要以上に怖がらず、まず診断することが肝要です。

問題はここからです。

縮小した状態をどう維持するかです。

腹腔鏡でオペも選択肢です。

しかし、その前に骨盤内の循環を促す運動などで維持管理に努めてみるのはどうでしょうか?

現代は自然に逆らう生活が主ですね。

OLさん何か、ずっと座っています。

スパー勤務なら寒すぎです。

もっと動いて動いて・・・言いたいのです。

 

 

月経量を増やす

生理の際に出血量を増やすコツについて、何件かの問い合わせがありましたので再度簡明に説明します。

◎意義…次回の妊娠の可能性を高める為「余分なものはすべて出す」を目的とする。

通常子宮内膜は受精卵の受け皿になりますね。排卵前後の10ミリを超える厚さまで増殖します。この内膜はいわば妊娠のためのもの。

妊娠しない場合は余剰のものとなります。

これが剥がれ落ちたものが月経時の血です。

子宮の推動作用(押し出す力)が弱いと、血が出きらないことがあると中医学では考えます。

これがオ血といい、不妊症で多い病理のひとつになります。 

○ポイント…鼠径部〜ももの内側を伸ばす。

●方法

@四股の形を取る(お相撲さんが仕切りの時に取る姿勢)
1〜2分腰を落とした状態を維持する。

A次にどちらかの脚を外側に伸ばし、半四股状態にします。

B外側に伸ばした脚に向かい、ゆっくりと自身の上半身を近づけてゆく。

うちももの付け根が痛い程伸びてくることが確認できたら、上手に出来ていまる証拠になる。
10〜20秒その姿勢を維持する。

C左右行う。

※再度繰り返しますが、子宮から血を排出する力は、子宮の気の押し出す力(推動力)によります。この気が足りないか滞ると、血を外に押し出せなくなり、出血量が減るわけです。
四股レッチ(勝手にそう呼んでいます)はこの子宮の気に働きかけてくれます。

おわかりいただけましたでしょうか?

 

高温相が10日にも満たないのです。将来、妊娠に問題が出るのでしょうか?

 

 確かに高温相が10日以下だと心配です。加えて低温相と高温相の差が0.3度以内、排卵後の体温上昇がダラダラとしか上がらないなら、黄体機能不全あたりを考えるのが一般です。

 黄体は排卵を契機に卵胞が変化したもので、その黄体からは黄体ホルモンが出ます。黄体ホルモンには3つの働きがあります。

@体温上昇の維持

A子宮内膜を厚くする

B子宮収縮の抑制

 《針で子宮の気を増加させる手(チョキ)
 この黄体ホルモンの働きを東洋医学に置き換えると、子宮内の気の働きに相当します。

 ○体温上昇は、子宮内の躍動性の高さの表現、あるいは気の温煦作用(気の6大作用のひとつ;温める働き)によるものです。

 ○内膜を厚く変化させるのは、受精卵の定着率を挙げるためです。これは気の営養作用(栄養する働き)によります。
 ○子宮収縮の抑制は流産を防ぐためです。これは気の固摂作用(固定し落ちなくする働き)によります。

 ここまでを要約すると、子宮に気を送り込む働きが弱いと、黄体の機能不全になりやすいということがわかります。このようなときは関元や気海、腎兪、三焦兪いうツボが有効です。

 また、肝気鬱(かんきうつ)といって全身の気の流れが悪い状態では、子宮への気の流入が減ることもあります。生理周期が乱れる、胸の張りがいつもに増して強い、ひどいときには一過性の高プロラクチン血症などを起こします。
  あるいは長期の疲労状態や睡眠不足では、全身の気の不足が予想されます。当然ながら子宮に回す分の気が少なくなります。
 そこで問診はもとより、脈や舌あるいはお腹の状態で、まず全身の状態を把握します。

 つぎに子宮との関連を考慮します。

 そして最終的には子宮の気を増加させるような針灸治療をしてゆくという手順となります。

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