腰椎椎間板ヘルニアの養生法

 1.腰をねじったり反復するような動作に気をつける

@日常生活あるいは仕事の中で、重いものを持つことやねじる動作が頻繁に行われると、その度椎間板内圧は上昇し、それが長期に渡ると、椎間板の摩耗を生じたり、 質・量の変化を起こしたりする。
(特に立位前屈姿勢や座位前屈姿勢で重いものを持つときに、椎間板内圧は急激に上昇する。)

A変化は主に線維輪に発生し、退行性の変化及び断列整などの形で現れる。線維輪の断列が成年期、壮年期など比較的若い頃に起きると骨髄核の含水量が高く、膨張する度合いも大きいことから、断裂箇所に圧力が多くかかり、骨髄核の突出を招く。

B突出した骨髄核や膨隆した線維輪は、腰部疼痛や神経根圧迫症状を呈し 、時によっては下肢の放射性疼痛を生じる。
(神経根の障害はヘルニアの生じた高位より1椎体下の椎間坑から外に出る神経に生じることが多い)

 2.“寒湿”に気をつける

@腰部への外傷史を持たない者や、腰への負荷が比較的軽い者の中に腰椎椎間板ヘルニアが多く見られる理由は、この病気の発病原因が労損なのではなく、 “寒湿”だからである。

A“寒湿”つまり湿気を帯びた冷気によって体が冷やされると、 局部の毛細血管及び筋肉は収縮を起こしてしまう。

B寒邪の性質は収引凝滞(筋肉や血管をけいれん収縮させ、気血の運行を阻滞させる)、 湿邪の性質は粘滞易阻遏陽気(病程が長引き治癒しにくい。また気の正常運行をさまたげ、脾陽を傷つけやすい)

Cこの2つの邪気が合わさって“寒湿”となると、血行の阻害されることはもっとひどくなる。

D“寒湿”により筋脈は充分な栄養を受けられなくなるのだが、これは椎間板の部位についても同じことが言える。
(椎間板ヘルニアの疼痛は神経根を圧迫することから生じるものと、“寒湿”による神経の乏血性疼痛とがある)

 3.精神的なストレスや緊張を避ける

@長期に渡る過度の精神的なストレスは体全体に影響し、筋肉の緊張をも誘発する。
A筋肉の緊張は椎間板内圧を高め、それが続くとやがて椎間板の退行性変化、あるいは 破裂部位の悪化、損傷を招き、ヘルニア(椎間板の突出)の増悪因子にさえなってしまうことがある。